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デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
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    四月は音信不通期間。②

    後編(?)です。
    後程一番上の記事に音信不通期間の旨を表示するつもりです。
    こちらを更新でいなくても、ついったで一日二日は出てきてるかもしれません。あとは…電波状況が、よければ…

    とにもかくにも、四月から色々と始まる方が多くいらっしゃると思います。
    私も頑張りますので、もしよろしければGW明け、お会いできることを切に願います…。


    それでは、甘楽ちゃんの独壇場です。





    さて、他方その頃霞が関。
    バタバタと慌ただしい警視庁及び警察庁内だが、その片割れ、警察庁の一室では、別の意味でバタバタと…人々が笑いをこらえて床に突っ伏したり壁を叩いたりと、わりと和やかな空気が流れていた。
    まぁ、それもそのはず。前述のかわいらしいコメントを打った本人は、それと同時並行で真顔で仕事をしているのだから。
    勿論、カフェオレを飲んでいるので、嘘はついていない。
    しかし、真顔で仕事をしているということは、チャットのコメントもすべて真顔打ちだということである。せめてにやりとでも笑っていればいいものを、彼は終始真剣に仕事も…チャットもしていた。

    「お、おり、折原っ…!」
    「ん~?」
    「頼む、緊張感がない上に腹筋が痛いから、どっちかに集中してくれ…!」
    「えー。この方が効率良いじゃん」
    「俺達の腹が効率的じゃねぇンだよ!」

    その息苦しげな声に、書類とPC画面のみを見ていた臨也の目が周囲、主に自身の後方、地面に向けられる。後ろではデスクに捕まりながら腹を抱えるもの、壁に寄りかかっているもの、大げさな人間はちょっと遠めのところにあるソファに突っ伏していた。
    その様を見てため息をつく。こんな人間達が、ノックと入室を問う声さえ聞こえれば、キリッと強面のエリート集団に変わるのだから、世の中何か間違っている。
    しかし彼らとて学生であったこともあればバカ騒ぎして親に叱られるようなことをする時代もあったのだと思えば、何だか微笑ましく思えてくるので今度何も言わずにうちの部屋に入っておいでと、事務の女性に言おうと誓った臨也だった。

    「何、俺がチャットしてたらまずいの?正臣が何か掴んでるかもしれないけど、俺だって早めに欲しいし、いいじゃない」
    「だったらメールで流してもらえばいいだろう?わざわざチャットに、そ、その口調で…!」
    「そう、その必要性だ!皆無だろう、それをする意味!意味は何だ折原!」

    「俺が楽しい」

    あぁ…神よ世界は無常です…。昔は無邪気で可愛かった折原臨也という少年は、社会の荒波にもまれてとんでもない方向へ進み始めたようです……。

    「それとも何?俺に感情豊かに『やっだ~ぁ』とか『甘楽ちゃんはぁ』とか言ってほしいわけ?」

    その、不気味なまでに真顔な顔から解き放たれた感情豊かな声に、全員が飛んでいた思考を戻して無言で頭を下げたのだった。





    **********





    さて、戻って無駄にでかい折原邸。
    甘楽の出現に戸惑うどころか撃沈していた三人だったが、そこは、かつて起きた様々な出来事で精神を鍛えた三人。目の前でやられるよりはいいと持ち直してキーボードを打ち始めた。

    バキュラ:お久しぶりです甘楽さん。ちょっとびっくりしちゃいました。
    田中太郎:甘楽さんお久しぶりです。お元気そうで安心しました。
    罪歌:甘楽さんお久しぶりです…。

    すると、すぐに返事が返ってくる。

    甘楽:やーんっ、三人ともお久しぶりですぅ!あれからぜんっぜんチャットに来ないので、どうかしたのかなーって思ってたんですよぉ

    ちょっとイラッと来たが、その前にその文面に注目する。平常心平常心。

    田中太郎:え、甘楽さん最近も来られてたんですか?
    甘楽:はいぃ!九十九屋さんと二人だけのチャットで、ちょっとつまんなかったんです~。やっぱり人数が多い方が楽しいですよねぇ!

    無駄に早い返信に、まずどこから打ってるんだろうと正臣は考えた。仕事場で打ってるんじゃないだろうなあの人。
    チャットに来るにしても日が落ちてからだろうと思っていたのだが、この速さだとPCだろう。ということは、捜査本部で打つようなことはしないだろうから、自身のPCのある警察庁に戻ってきているということだ。
    ………って、仕事場じゃねぇか!

    バキュラ:あ~…甘楽さん、現場とか見てきたんですか?どーでした?
    甘楽:野次馬がたーっくさんいてぇ、全然見えませんでしたぁ。あ、でもでも、警察のお偉いさんが浚われたんじゃないかって噂流れてますよねぇ。ちょっとビルの二階に上がって上から見てみたんですけど、SPがどうのとか言ってたし、守られるくらい偉い人なのかも!

    おいおい、いいのかそんなこと言って…

    田中太郎:お偉いさんが、何で池袋に?まさか聖辺ルリのイベント…?
    罪歌:え、それは……
    甘楽:買い物にでも来てたんじゃないですかァ?偉い人だって、プライベートな買い物ぐらいしたくなるでしょうしwでも、聖辺ルリのイベント見に来てた人達の後ろじゃなくて、ちょっとそこから中に入った場所だって聞きましたよぉ。っていうことは、見てたのかも!?

    ちょ、それってゲロッていいんですか…?

    九十九:警視庁のお偉いさんってのがほんとだったら、四十代以上だろ。聖辺ルリって結構ファンの年齢層広いんだな。
    甘楽:うちのパパもファンですよぉ?あ、もしかして、誘拐したのって聖辺ルリの熱狂的ファンとか!?ほら、一時期年配の方を襲うっての事件になったじゃないですかぁ。『俺達のルリちゃんに変な目向けんな!』とか、変に暴走した結果だったりして☆

    ………それならどんなにいい展開だろう…。

    バキュラ:でも、それなら甘楽さんのお父さんだって狙われますよ?
    甘楽:いい年こいて、とは言いたくないですが、テレビの前に座ってデレッとされるのは嫌なので、自重してほしいですよねー。この件で。

    あ、黒くなった。
    色々と心の中で突っ込みを入れつつ会話に入っていた正臣は、そうか。あの人聖辺ルリのファンだったのか…。と、父親と言えるほど歳の離れた、お茶目なところもあるが基本的に厳格で厳しい男性を思い浮かべる。ちょっとどころじゃなく意外だった。
    恐らく、『甘楽の父』とは臨也の上官。つまり、誘拐騒ぎの被害者本人だろう。別人のことを話しているようで同一人物である。

    九十九屋:人の趣味にケチつけるのは感心しないぞ、甘楽ちゃん。お父さんの趣味なら、納得はしなくともちょっとくらい理解示さないと。その内反抗期か!とか言われても面倒だろう?
    甘楽:もう言われてるんで問題ないでーすvでもそうですね、もうちょっと隠れてやるように言って、理解を示すことにしますw

    きっと楽しそうに打っているんだろうな。そう思ったのは正臣達全員だった。沙樹はチャットを見る気はないのか、携帯とPCを交互に操作して情報をかき集めている。

    「正臣、臨也さんから電話だよ」
    「え?あ、あぁ。ありがと」

    沙樹の携帯電話だ。しかしふと見ると、甘楽からバキュラに話題が振られている。

    甘楽:バキュラさんは池袋にはいないんですか?なんかもう、話題に飢えてたって感じの人達が嬉々として話広めてますよぉ!ネットで情報聞くよりも早いかも!

    『や、正臣。そっちはどう?』
    「ややこしいなおい!」

    バキュラ:誰に聞くかでかなり歪曲されそうじゃないですか。だったら、ここのチャットの方が信頼できるし、ダラーズの掲示板とかもそうですよ。

    「少しは情報もらいました。後で送ります。あと、ダラーズの掲示板にネット情報のまとめ、帝人が作ってくれました」
    『おや、歪曲なんて難しい言葉を…わかった。できれば、着替えとかを俺の分も持ってきてくれる?龍輔のはいらないから。あいつ、一旦家に帰ったみたいだし』

    甘楽:歪曲なんて難しい言葉使わないでくださいよぅ。それなら、また明日頃にでもこのチャットルームに集まりません?甘楽ちゃんも、色々話を集めてきます!

    「チャットとコメントシンクロしないでください!」

    セットン:いいですね。私も、何か聞いてこようかな…田中太郎さん達はどうします?
    罪歌:えっと、皆さんと似たものになるかもしれませんけど…
    田中太郎:まぁ、池袋内だけじゃそんなものでしょう。じゃあ、明日の今頃の時間でどうです?
    バキュラ:俺は別にいいっすよ。

    『まぁ、いいじゃない。俺、今からちょっと狐狸と化かしあいしてくるから。何かあったら波江に』

    甘楽:甘楽ちゃんもさんせーでーっす!

    「わかりました」

    チャット内で落ち合う時間を確認して、皆がぞろぞろと退室していく。もちろん、甘楽もだ。
    画面の向こうで、『彼女』を含めだれがどんな顔をしているのかなど、誰にも予想はできない。

    甘楽:皆さんに久しぶりに会えてうれしかったです~!また明日!

    「………ま、せいぜいいい情報持ってきてよ」

    ……一名、思い切り悪役じみたセリフを吐いている人間もいたが。





    あとがき↓
    やっぱり、甘楽ちゃんは書いていてなんか楽しいです。

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