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ちょっとだけ話をしよう。小さな小さな、昔の話だ。
俺達は、よく正義の味方の話を聞いていたんだ。
悪い奴らをやっつけて、か弱い人たちを守る…そんなお伽噺を。
でも、それは正義の味方の実話だったから、少なくとも幻想と言うほどではなかったのかもしれない。
でも、それは御伽の国のお話だった。
お伽噺を聞いて育った俺達は、無謀にも正義の味方になろうとした。法を覚え、戦う術を身につけて、がむしゃらに、どんな怪我をしても泣く羽目になっても、頑張り続けたんだ。
俺達がそれを、聞き続けたそれをお伽噺という名の理想であると、愚かな願望であると気づいたのは皮肉にも正義の味方になったあとだった。
戻れない道、抜けられない道。
絶望はしなかったけれど憎くは思った。しかし憎みきって切り捨てるには情は重すぎて…どうにも、できなかった。
あぁ。
あぁだから、闘おう。
あれを生かそう、最後まで。悔いているのを知っている。謝っていたのを知っている。