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デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
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    ありがとうございます、


    早くもカウンターが1000を回りました。
    デュラララ!!の恐ろしさと皆様の優しさに頭の下がる思いです…。




    コメント返信です↓

    ruh様。
    はじめまして!コメントありがとうございます。料理シリーズ、気に入っていただけたようでなによりです。新シリーズと言うか…臨美さんの方はオリキャラ満載になりそうな予感がするのですが、できたら頑張りたいなと思います。よければ、楽しみに待っていてください。



    来神組


     




    ――――――――――とある日の東京・池袋。



    「まて新羅!!」
    「待たないよ!待ったら殴られるじゃないか~!!」



    そこで、世にも奇妙な追いかけっこが繰り広げられていた。




















    時間は10分ほど前に遡る。
    数日前の一件より、強請られたのかほだされたのか脅されたのか(一部で賭けの対象と化している)、一週間に一度は菓子を手にやってくるようになった臨也は、しばらく仕事で来られなかったということで久しぶりに、約一月ぶりに池袋に顔を出した。

    「何かさ、俺、池袋に来るたびに何か作ってきてる気がするんだけど…どう思う、ドタチン」
    「まぁ、外れてはいないだろうな…。いいんじゃないか、平和で」

    確かに平和だ。平和すぎて怖いとも言うが。
    大体、仕事で一月は家からでないといった時の、一月前の静雄の反応はただ頷いただけだった。
    それで、よし諦めたんだなと、五年ぶりに味をしめた(と言っていいのか分からないが)事あるごとに、それこそ喧嘩が終わった後にリクエストして結局池袋に来る羽目になるという日常の繰り返しにちょっとしたピリオドを打てると、そう思った自分が馬鹿だった。

    「なぁ~んで新宿に来るかなぁ、あれ…!」
    「…ま、あいつはそうだよな」

    そう。週一とは言わずとも、何故か臨也の仕事に一区切りついた頃に、ふらりとやってきては何か作れと居座るのである。それに優秀な助手も便乗してしまうからまた厄介だ。
    そしてついつい、作ってしまうのは美味しそうに食べてくれるのが嬉しいからなのか既にもう諦めているからなのか。

    「まぁ、よかったじゃないか?仕事も無事に終わって」
    「まぁね、ちょっと面倒だったけど、しっかり依頼人に渡せたし、この仕事で一区切りついて送金できたし…」
    「?」
    「あ、こっちの話…。って、静ちゃん。そう急いで食べないでもまだあるからさ、小学生みたいに口にクリーム付けるのやめなよ」
    「あぁ?おぅ」

    だから、そうやって何だかんだと世話を焼くからまた作る羽目になるんだと俺は思うんだが…。

    さらっと静雄の口の端についた生クリームをとった臨也と、それを普通に受け入れている静雄。菓子を食べる前に一つ運動するか、とナイフ片手に標識片手に、制限時間つきでとはいえ暴れていた二人とは思えないほどである。
    とりあえず、門田は臨也がとったクリームをどうしたのかは視界に入れない事にした。

    「しかしまぁ、悪いな。俺も食ってて…」
    「や、静ちゃんだけに作るのもね、何か癪だし。新羅も、仕事の後で寄るって言ってたんだよね。そっちにとってあるんだけどさっさと来てくれないかな…」
    「あぁ、それで、あの一画だけ静雄が手を出していないのか…」

    そこにあるのは、二つのプリンと可愛らしいクッキーである。
    恋人至上主義の新羅だからセルティにも見せるんだろうと、変な気遣いで可愛い形で焼いた臨也だった。

    「臨也、最後の奴食っていいか?」
    「どーぞー。ったくもう、静ちゃんはよく食べるよね」

    プリンにクッキーにロールケーキ。
    今日作って来たのはその三種類だったが、見事、八割は静雄に食いつくされた。
    呆れたように肩をすくめる臨也に、隣に座って紅茶片手に腹を休ませていた静雄が反論する。

    「だから作りがいがあるって、こぼしてたの誰だよ」
    「はいはいはい、俺です…。って、静ちゃん?どうし…」
    「最後の一個がねぇ…」

    「「は?」」

    静雄の一言に、二人は顔を見合わせた。門田はすでに手に持っているし、臨也は作っている時点でお腹いっぱい。と、クッキー数枚しか口にしていない。
    周囲は、基本的にこの光景を平和と認識しつつも恐ろしく感じているのであまり人はいない。

    では、誰?

    その疑問は、一分もしないうちに解答を得た。



    「いっやー、相変わらず美味しいね、臨也!君、パティシエになった方が儲かってたんじゃないかい?」



    「……」
    「………」
    「…」

    次の瞬間、
    臨也と門田は冥福を深く深く祈り、



    静雄はゆらりと立ち上がった。



    「し~ん~らぁ~…」
    「…え?何、どうしたの?」
    「手前の分は食うなって言われてたから隔離しといたっつーのに、何でよりによってそれを食うんだお前は…!」

    「………え"」

    まさか、と新羅が門田達の方を見ると、既に色々とものを持って避難していた。そして、深く深くうなづいて、ついでに諦めろと目が語っている。

    「ちょっ…!勘弁してよ、ほんとに!!」
    「待ちやがれ!逃げんじゃねぇ新羅!!」

    新羅が逃げ出し、当たり前だが静雄は追って走り始めた。
    それをのほほんと眺めながら、臨也は携帯を取り出す。

    「止めなくていいのか?」
    「止めるだけ無駄でしょ。セルティに頼んで新羅を迎えに来てもらうよ。思いっきり走れば静ちゃんもお腹すいてこっち来るし、新羅がこうなるのも、久しぶりだけど初めてじゃないでしょ」
    「……それもそうか」

    家にいるだろうセルティに事情を話した臨也は、後はあの二人が止まるまでのんびりしようと、コーヒーを淹れだす。

    「ドタチンも飲む?」
    「あぁ、もらう。……あいつらの分も残しておいた方がいいか?」
    「コーヒーはダメだから、そこにあるミネラルウォーターあげればいいよ」





    さて、夕陽が沈むまでに終わればいいが…。
    二人はそう考えながら、どうしようか、と悩んでいた。





    あとがき↓
    最初は次の日のティラミスについて、にしようと思ったのですが、こっちにしました。ティラミスは次にでもあげます。

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