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デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
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    四月は音信不通期間

    です。社会人としてちょっと修行に行ってきます。
    今までのようについったなどにちょくちょく…できればいいのですが、インターネット接続環境がないかもしれない場所なので、一月、したくてもできない可能性が大…です。その分、ちょこちょこ書き溜められれば私的に嬉しく思います。

    通販は、もし早ければGWのあとに再開予定です。料理シリーズのほうも、その時に間に合えば一緒に。
    今回は長くなったので二つに分けます。チャット編です。きりのいいところで分けるので、こちらのほうが長めです。






     『君だとは思わなかったな。甘楽ちゃんはどうしたんだ?』
    「甘楽さんなら、池袋に行けば会えるんじゃないでしょうか?あぁいうのには食いつきますからね、あの人」
     
    正臣が喋れば、自動的に正面の画面にその文字が入力される。音声入力のその画面は、少々懐かしい、あのチャット画面だった。
    帝人も杏里も、一年半前からあまり利用してはいない。
     
    「太郎くんもいればいいんですけどね。この騒ぎなら、その内情報収集で来るかも」
    『いいねぇ。前みたいに皆で話してみたいな。セットンさんとかとは、話しているかい?』
    「流石ですねぇ、あんまりここに顔だしていないのに、メンツは把握してるみたいだ。俺も、ここに来るのは久しぶりですよ。何か池袋の事件、知ってたら教えてくださいよ」
    『今のところは、君の方が詳しいんじゃないかい?』
    「……」
    『………』
     
    こ、怖い。
    座っている位置を後ろへとずらしながら、帝人は友人と、以前チャットのログに名前の残っていたことがある人間のやり取りを見ていた。腹の探り合いとはこのことである。
    正直、池袋での諸々の騒動で正臣のことは結構知っていたつもりだったのだが、どうにもこうにも、人というものはいくつもの面を併せ持っているらしい。
    まぁ、いい例が臨也だが。
    ……わるい例でもあるが。
     
    「…まぁ、悪ふざけはこの辺にしときましょう。好きにしていいと言われてます。俺の出せる範囲になりますけど…交渉しましょうか?」
     
    『そうだな。あれの下にいたガキだろ、お前』
    『生意気な口きくようになったなぁ』
    『ROMってようと思ったけど気が変わった!お前も面白そうに育ってんじゃん』
     
    正臣の一言に、帝人も知らないハンドルネームが現れてくる。どうやら、チャットをただ眺めていただけの人間らしい。しかし、この口ぶりから言って…
     
    「正臣、この人達…」
    「…臨也さんの、元、仕事仲間で、商売敵。所謂同業だよ」
     
    マイクを抑えながらそう言って、正臣は再びバキュラとして画面の向こうのタヌキやキツネと化かしあう。
     
    「ふふ、大丈夫ですか?」
    「あ、うん…。一応」
    「皆さん、正臣と九十九屋さんの会話で、傍観するか情報提供するか決めてたみたいですね。大丈夫、意外とお人よしな方もいるんですよ」
     
     
     
    とりあえず、そんなことを言える沙樹が一番強いと帝人は思ったのだった。
     
     
     
     
     
    **********
     
     
     
     
     
    さて、愛弟子というか同居の子供がそんな感じで手伝いをしてくれている中、臨也は龍輔の車を運転して仕事場たる警察庁へと向かっていた。何故持ち主がしないのかというと、六実のフォロー役として回された結果、車がしばらく無駄となったため、パトカーは嫌だなぁと考えていた臨也が借りてきたのである。
     
    「折原、現場どうだった?」
    「上々じゃないかと思うけどね。俺がいたら余計な面倒おきそうだから戻ってきた」
    「ははっ、確かにな。…上がお呼びだ」
     
    同僚から労わるように肩を叩かれ、大丈夫だとため息交じりに告げる。
    さて、上の手綱を引くのも仕事って言ったからには、引かせてもらおうかな?
    『折原臨也』が交渉できない人間など、この組織内にはいない。カードなどいくらでもあり、集めるための手段だって多くある。
    そして、足を引っ張り合い、擦り付け合い、奪い合うのが人の性。
     
    ――――――――――…あぁ、
     
    「確かに、面白いよねぇ。愛するとまでは言わないけどさ」
     
     
     
     
     
    **********
     
     
     
     
     
    自宅にいたセルティは、何やら街中が騒がしいと思いながらつけたネットから『折原臨也』が街に来ている。との情報を目にし、顔があったなら目を見開いていただろうと思うほど驚いていた。
    あの騒動から一年、ぱったりと消えた情報屋の足取りなど誰もつかめず、皆が皆死んだものだと思っていたのに。
    慌てて掲示板やSNSなどを周って情報を集めてみると、どうやら池袋で起きた事件のために来ているらしい。なるほど、町が騒がしいのはそのためだったのか。とまで考えて、セルティは首を傾げた。
     
    何故、池袋で事件が起きたからと言ってあいつが来る必要があるんだ…?
     
    御最もな疑問である。スクロールすれば、その疑問は更に混乱を付け加えられる形となった。
     
    【何か、前と違ってきりっとしてる~!?】
    【立ち入り禁止のとこに案内されてはいってった。何あれ?】
    【池袋署の奴らとか、全員目があった瞬間敬礼してた!折原マジ何者w】
    【今池袋署前!誰か待ってんのかな、昔となんか違う?】
     
    ……警察が立ち入り禁止にしているところに入ってって、敬礼されて、前となんか違っててキリッとしてて警察署前にいる…?
     
    さっぱりわからない。
    今度はダラーズの掲示板を除けば、タイムラグさえあれど詳細が書き込まれてあった。
    しかも、【田中太郎】の名前で。
     
    『っ!』
     
    田中太郎が『誰』なのかを知る人間はいなくとも、このダラーズ内でどういう人間かを知らない人間はいないだろう。無色透明、今も静かに池袋を支配する帝王、ダラーズのリーダーだ。
    そして、セルティはその人物が『誰』であるのかを、知っている。
     
    竜ヶ峰、帝人…!?
     
    大学に入学してから、この池袋で紀田正臣らしき青年といるところも目撃されたというが、セルティは未だ会えてはいない。
    いや、それよりも今はともかく、臨也の情報だ。
    田中太郎からの情報ならば、ほぼ間違いはないだろう。
     
     
     
    事件の掲示板情報などまとめ記事(※後程新しい情報があったら加えます)
     
    本日午後二時頃、池袋での聖辺ルリ街頭イベントコンサート会場にて、四十代後半の男性が暴行を受けた上拉致。
    被害者男性の服装は灰色のポロシャツに黒のジャケット、下はベージュのパンツ。名前は現在不明。その後の警察の動きから警察関係者との情報と予測あり。
    誘拐時に目撃された車は白のワゴン。ナンバー未確認。目撃者によると三人以上はいた模様。
     
    池袋署警察官と、警視庁、警察庁の人間の中に、新宿の情報屋、折原臨也を見たという情報多数。目撃証言等で確認したところ、警察関係者であると判明。腕章をつけた女性が『警部』と呼んで敬礼していたため、間違いないと思われる。
    一時間前まで池袋署内にいることが確認。その後は不明。
     
     
    現在のところは以上です。池袋で起こった事件のため、正確な情報を求めます。
     
     
     
    ………。
    『折原臨也が警察関係者』……?
    正直言って何の冗談だという言葉しか出てこない。
    会って確かめたいが、この状況で外に出たらあの白バイに遭遇する危険性が高いため、セルティはなるべく外に出たくはないのだ。事件が起こって警察がうろついているともなればなおさらである。
     
    一か八かだが…開いてみるか…
     
    新羅もまだ帰ってきていない。白衣を脱いで歩いていればいいが、そうでなければ職質でもかけられているんじゃないだろうか。ともかく、外から帰ってくる新羅が少しでも正確な情報を持っていてくれたら助かる。と、臨也が警察云々の情報をとりあえず信じないことにしたセルティは頷いた。他人の空似とかそういうものだろう。
    そして、長らく開いていなかったページに進む。
     
    それは、一年前から使う気になれず疎遠となっていた、とあるチャットページだった。





     **********
     
     
     
     
     
    一方その頃、正臣は順調に九十九屋他、情報屋との連絡を進めていた。今回の誘拐目的が何になるかわからないからこそ、細かい情報を少しでも手に入れる必要がある。
     
    『バキュラくんも、成長したねぇ』
    「どーも」
    『でもまぁ、そろそろ中断しようか』
    「え?」
     
    九十九屋からの休憩提案に、慌てて右下の時間を見る。……別に、夕方というわけでもないのだが。
     
    「まだ、時間ありますけど。仕事ですか?」
    『いやいや、そろそろあの子が来るころだから』
    「あの子…?」
     
    セットン:こんにちは、皆さんお久しぶりです。
     
    内緒モードでしていたチャットの、第三者からの新着に一瞬肩をこわばらせた。…本当に、来た。そして、久しぶりに見る名前。
     
    九十九:ありゃ、予想が外れたな。
    セットン:どなたか待っていたんですか?
    九十九:待ってはいないが、そろそろこっちに来るなぁと思っててね。
     
    素早く通常モードに戻した九十九屋を追って、正臣もセットンに…池袋の都市伝説に、話かける。
     
    バキュラ:ちょっと俺もいるんすけどー。お久しぶりですセットンさん
    セットン:お久しぶりですー。他には誰もいらっしゃらないんですか?
     
    「……帝人、」
    「え、何?ダラーズの掲示板なら、一応まとめて、今新しいの捜してるところだけど…」
    「じゃあ、それ中断してくれ。沙樹、ノートPC二台って大丈夫か?」
    「うん、今取ってくるね。私はどうしよっか」
    「ダラーズの方頼む。あと、メールできた情報の整理」
    「わかった」
     
    すぐに戻ってきた沙樹は、手早くノートパソコンを立ち上げて杏里と帝人の前に置く。
     
    「セットンさん…首なしライダーが来てる。バラバラの場所にいるよう装って、チャットに入ってくれ。一時間くらいでいいから」
    「は、はいっ」
    「わかった。…セルティさん、何か知ってるの?」
    「あの人は運び屋だ。被害者を運ぶことだって、知ってようが知らなかろうが仕事で入ってるかもしれない。情報があったら引き出すぞ」
     
    そう意気込んで三人、キーボードに手を置いた時だった。
     
    九十九:あぁ、やっぱり来たな。久しぶり。
     
    「…え…?」
    確かに、新規入室一名となって入る。しかし、『罪歌』も『田中太郎』もまだ、入室はしていなかった。
     
    「誰だ…?」
     
    とにかく、二人に入室するよう言って、新しい人間に挨拶しようとこんにちは、とまで打った。
    しかし、その入室一名の挨拶を見た瞬間、正臣はキーボードに突っ伏して意味不明の文字を更新することとなる。
     
     
     
    『みっなさーん、お久しぶりですぅ~!事件のにおいをかぎつけてこっちにも来ちゃいました!甘楽ちゃんでーっす!!』
     
     
     
    「……」
    「…」
    「…………」
     
    九十九:久しぶりだな甘楽ちゃん。なんだ、男でもできてこっちに来れなかったのか。
    甘楽:ひっどぉーい!家出から帰ったらパパとお兄ちゃんが過保護になってて、パソコン触らせてくれなかったんですよーぉ
    セットン:お、お久しぶり、です……
    甘楽:あ、セットンさんお久です~!元気してました?甘楽ちゃんはぁ、やぁっと一段落ついてカフェオレ飲みながらブレイクタイムです!
     
    「…」
    「……紀田、くん…」
    「…あぁ、わかってる、わかってるよ…」
     
    はっきり言おう。
     
     
     
    ダメージでかい。





    あとがき↓
    久しぶりに書いたキャラが盛沢山だった気がします。ちょっとキャラをつかめず突っ走ってしまった気もしますが、楽しかったのでまぁいいかな?

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    房藤 空木
    性別:
    女性
    職業:
    学生
    自己紹介:
    基本的にtwitterかmixiに出没もしますが、mixiの方は基本的にROM専門と化しており、こちら方面の事は、特定の方にしか記事でもお知らせしてません…。



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