久しぶりに予約投稿してみました。中身?えぇと…19日を過ぎてから読んでも過ぎる前に読んでもどちらでもお好きなように、です!(つまりオフ新刊の内容がちょろっと出てます)
情報屋+情報屋
その日、臨也と九十九屋はいつも通りにネットを介して会話していた。まぁ、つまりチャットである。
【そういえば、今日は本業の方に行ったんだってな】
【…何で知ってんの?】
【お前の同僚から聞いた】
何やらいつの間にか自分の同僚と仲良くなっているらしい九十九屋は、いつもこのネタで臨也をからかうのである。臨也としては、滅多に行けない職場だ。犯人の特定は難しかった。
【お前、何でそんな真面目に仕事できるんだ?このまま情報屋でも食っていけるだろ】
【あのね…。今更、ここまで来て俺が戻らないという選択肢を選ぶとでも?「新宿の情報屋」はね、あいつらもあって成り立ってんの】
【………お前からそんな青春ドラマみたいな言葉を聞けるとは…】
【刺すぞ】
何故ディスプレイの中には入れないんだろう。あれか、液晶が邪魔云々って、こういうことなのか。意味は違えど、その中に入りたくなる衝動というものを、今臨也は理解した。
【まったく、お前、いつものチャットじゃ内緒モードでもそんな風には言わないだろうに、何でそんな風に育ったんだか…】
【いやぁ!九十九屋さんが甘楽をいぢめるぅ!もうっ駄目ですよぉ!そういうこと言っちゃぁ!……………………………………はい、これで満足か】
【温度差に愛を感じられないぞ。リテイク】
【ふざけんな】
【いや、俺はふざけてなどいない。さぁリテイク。むしろそのままで会話しろ。甘楽ちゃんチャットしたい】
【…はぁ!?】
とうとう頭が湧いたか。そうか。これは祝うべきなのか病院に連れていくべきなのかと、臨也は本気で考えた。
そうか、とうとうボケたか…頭大丈夫かな。よし、いい闇医者を紹介しよう。そのまま連れてってくれそうなところを。
【おい、心の声をそのまま打つな】
【はっ。しまった。……でもしないぞ。そろそろ時間だしな】
【お前は本っ当にデレないな……】
【お前がデレたら考えてやる】
そんな会話で、その日のチャットは終了した。
**********
それから数カ月後。
【まさか、あの時本当に甘楽ちゃんチャットしてくれるとはな】
【お前が本当にチャットでデレたからだろ】
二人は、再びチャットをしていた。まだ外出禁止令中なので、日中の臨也の話し相手は専ら九十九屋だ。
【いやしかし、今度はお前がどんな顔して打ってたのか気になってな。あれだ。スカ○プチャットしないか?】
【ふざけんな】
この二人は、どうやらどこまで行っても変わらないようである。
PR