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デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
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    Dear. 鏡花様!!

    が、頑張って書かせていただきましたです。はい!ちょっとドキドキ…。
    鏡花様に限りお持ち帰りOK.ということで、お誕生日おめでとうございます~!!


    あ、名前だけですが、ちょろっとオリキャラ注意!





    24時間戦争コンビ






    非日常を日常として抱える、池袋の街。毎日どこかで公共物が破壊され、人の闇が蠢くその街。
    そんな街も、自然の脅威には勝てず、うだるような暑さと湿気。そして、数日前からの大雨で、外を出歩く人間は少なかった。


    それは、一駅向こうの新宿も同じことで。


    「すっごい雨…。小降りの内に波江さん帰して正解だったな~…」

    その雨に辟易していた臨也は、自宅兼事務所から一歩も出ることなく、仕事に精を出していた。おかげで池袋も平和だろう。と思うだろうが、臨也が人をけしかければそれはまた別。まぁ、この雨でそんなやる気も削がれていたようだったが。

    「四木さんに頼まれてたのはメールで送って、この間の○×商事からのは、依頼された分と、ついでにプール金の…は、分かりやすい所に置いとけば誰か拾うかな。リツから流してもらったネタは、今度の依頼に使えそうだから置いといて…」

    パソコンのディスプレイと紙の間で視線を行ったり来たりしながら、時折コーヒーを飲んで、雨音に耳を傾ける。……止みそうにない。冷蔵庫に食材があればいいが、なければ買ってこなければいけないなと、臨也がため息をついた時だった。



    ピンポーン……



    「?」

    来客を知らせる、ベルの音が鳴った。





    ********************





    「……あれ、下のロックはどうしたの」
    「他の奴がちょうどはいってってたから…ついてきた」

    そこにいたのは、ずぶぬれの喧嘩人形だった。
    何故傘もさしてないんだ。と思った矢先、その腕から小さな声が聞こえる。

    「?」

    にー

    「……猫?」
    「あ、いや、その…雨で、川に流されそうになってて…」

    慌てたようにそう話す静雄に、臨也は目を丸くした後、あぁ。と納得したように微笑んだ。

    「猫と一緒に、風呂入ってきな。ずぶ濡れのままリビングに上がられちゃ掃除が大変だからね」





    ********************





    ほかほか。と湯気を立てて出て来た静雄と猫が見たのは、リビングのテーブルに置かれた温かなスープと、更に少しだけ入れられた牛乳だった。

    「あぁ、上がった?猫用の牛乳なんてないからね。それで我慢しといてよ」
    「普通の牛乳じゃ駄目なのか」
    「生まれたばっかの猫だとねぇ…。人間用のは、猫だとお腹壊しやすいみたいだから」

    ほら、と座るように促されて、臨也の向かいに座る。

    「てか、猫連れてどうして新宿まで来たのさ。こんな大雨の中」
    「あ?」
    「池袋で拾ったんなら、新羅の家でも君の家でも、知り合いに頼む事も出来ただろ。新宿までどうしたのさ」

    からかうように目を細めると、スープを飲み干したらしい静雄が眉間に皺を寄せる。が、すぐにばつが悪そうに臨也から視線をそらした。

    「?何さ、気持ち悪いよ~静ちゃん」
    「うっせぇよ。いや、その……」
    「ん?」
    「誕生日、だっただろ、手前…今日」

    今日。誕生日。
    仕事だし外には行かないしですっかり忘れていたが、そう言われれば誕生日だったかもしれない。デスクのカレンダーを確認すると、確かになるほど、九瑠璃の字で『誕』と一文字書いてあった。

    「……で、その…昔、手前がやってた通りに作ってみようとしたんだけどよ…」
    「作ってみた?何を?」

    歯切れ悪く口を開く静雄に目を瞬きながらそう返すと、静雄は更に唸るようにしていて、なかなか言葉を言わない。
    流石に我慢にも限界があるんだけどな。と思って一言名前を呼ぶと、諦めたように静雄は肩を落とした。

    「…マフィン……」
    「は?」
    「前に、作ってただろ、マフィン」
    「いやそりゃ…何回か作ってきてたと思うけど、まさかそれだけでチャレンジしたの?」
    「俺が、ネットや本を見る方だと思うか」
    「いや思わないけど」

    即答で返すと、思い出してやってみたんだよ。と、風呂上がりのせいだけではないのだろう、顔が赤くなっていた。
    それを何やら微笑ましそうに見て、臨也は牛乳を飲み終えたらしい子猫を抱き上げる。

    「なるほど?この大雨の中来たはいいけれど、流石の大雨でマフィンは濡れて食べれるはずもなく、ついでにこの子猫が溺れ死しそうになっているのを見て助けて、傘もどっか行って、ずぶ濡れになった。と」
    「……………おぅ」

    まるで見ていたかのようだと思いながらも、その通りなので二の句が継げない静雄はただ押し黙った。

    まったく、何しに来たかと思えば…。ドアを吹っ飛ばされなかっただけましかな。

    そう考えてため息をつくと、臨也は時計に視線を向けた。20:29。まぁ、ギリギリだろう。

    「んじゃあほら、キッチン行こうか」
    「は?」
    「今日はまだ終わってないよ。祝ってくれるんでしょ、誕生日」
    「いや、でもよぉ…」
    「ちゃんと教えてあげるから、今度こそ覚えなよ。何回も同じこと言わせるんだったら雨の中に放り出すからね」

    そう言って上機嫌でキッチンへと向かう臨也の後を、反射的にか、子猫がトテトテとついていく。まるで、カルガモの親子のようだ。
    その光景を呆然と見ながら、臨也の言葉を何とか噛み砕いて理解した臨也は、食べ終わった食器片手に猫と臨也に追いつく。

    「……臨也」
    「何~?ほら、エプロンはこれ…」

    スッと、唇と唇が重なって、離れる。

    「……何、俺、変なもんでも入れたっけ…」
    「いや…あぁ、入れてたかもな」

    唖然とした顔でいる臨也に笑い、今度はそのこめかみに唇を軽く押しつけた。

    「し、静ちゃんさん?風邪!?風邪でも引いたのちょっと?」
    「つくづくしつれーな奴だな手前は…。おい臨也」
    「……何」

    じりじり。と小麦粉の袋を持ったまま後ずさる臨也を捕まえて、静雄は俯きながらも小さく囁いた。



    「……誕生日、おめでとう」



    「・ ・ ・」

    先程までの行動はなんだったのやら。随分としおらしくそう言う静雄に、臨也は仕方がない。と小麦粉の袋を勢いよく静雄の頭に落とした。

    「ってぇ!!」
    「ほら、つべこべ言ってないでやるよ~」





    いつも、喧嘩してばかりだけれど。
    いつも、殺し合いを本気でしている仲だけれど。

    たまにはやっぱりこうやって、

    皆に内緒で会うのも、少しくすぐったいけれど、楽しくて嬉しいかもしれない。





    「んじゃ、分量を量るところから、かな」
    「…おぅ」





    できの悪い生徒みたいだから、ちゃんと一人で作って、贈ってくれるようになるまでは、しばらくかかりそうだけれど、ね。





    あとがき↓
    あんまりひっそりじゃないようなひっそり…。でも、猫を入れられて満足!ついでに私にしては珍しく、ちゃんとシズイザっぽく出来たような、できないような…?き、キキキキキ、キスシーンも入れられました…!ふぅ恥ずかしい。
    ちなみに、臨也さんは静ちゃんは雨だから来ないかな。とかちょっと考えてたり…。誕生日だって自覚してなくても、数日前から行くってメールもらってるとか…。
    どちらかの、ということだったので、静ちゃんに料理に挑戦してもらうべく臨也さんの誕生日にしました。

    鏡花様に捧げます。お誕生日おめでとうございます~!!


     

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