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デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
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    宣言通り。

    書いてみる。捏造中学編!
    妄想もいいところだ…(汗)………暑いから、かな。



    来神組



    それは、委員会か何かの手伝いだったと思う。近くの大きな体育館で行われている大会の準備をして、どうせなら見てみないかと誘われた。
    自分が最初思っていたよりも大きな大会だったらしく、駐車場には行った事のない県ナンバーのバス、応援に来ている人々の、テレビを通してぐらいしか聞かない言葉使いに、少しだけ何やら違う場所に迷い込んだように思った時だった。
    自分の名前を呼ぶ、声がしたのは。





    **********





    「え…っと……」
    「あ、やっぱり静雄君だよね!?僕岸谷新羅。覚えてないかな、小学校で一緒だったんだけど」
    「…覚えてるよ。お前みたいな変わった奴」
    「ははっ、ひどいなぁ。静雄君は、誰かの応援?君の行った中学の子は出てなかったと思うけど…」

    そう言って、久しぶりに会った同級生…新羅は、大会のパンフレットを見た。ページに何かの目印のようにおられた箇所や書き込みに、静雄の目が丸くなる。

    「お前、こう言うの好きなのか?」
    「え?…あぁ、これ?色々興味持ってついてきてる間に癖になっちゃってさ。同級生がでてるんだよ。この大会」
    「へぇ…」

    あそこにいるよ。と指さされた方を見ると、猫耳のパーカーを被った小さな二つの物体が、ベンチに寝ている白い…胴着の少年の回りをウロウロとしていた。その少年の顔は、タオルで覆われていて見えない。

    「さっき試合が終わったばかりでね。流石に疲れてるみたい」
    「あの、猫耳のは…」
    「あぁ、妹さんだよ。いっつも大会にはついてくるんだ」

    よく見ると、その猫耳フード達は手にペットボトルやタオル、救急セットなども持っていた。…どうやら、心配しているらしい。

    「ま、落ち着いたらあいつも起きるしね。…っと、そろそろ、あいつの次の相手の試合だ。ちょっと見てくるよ」
    「……お前、マネージャーか?」
    「え、まさか。僕はただ…そうだな。あれだけ綺麗に相手の急所を理解するのを見るのが、面白いだけだよ」

    そう言って、新羅は観覧席の方へと走って行った。
    ふと、新羅の同伴だという、選手の方を見る。いつの間にか起きていて、頭からタオルを被っているその少年は、ピョコピョコとはねる少女二人の頭を優しく撫でていた。
    ふと、そのタオルで隠された向こう側から、視線を感じる。

    「……?」

    感じた視線は、何故か紅かった。





    **********





    「あ~…つかれた。明日学校行きたくない…」
    「どーせ君は行かないだろ。て言うか、おしかったねぇ準優勝」

    結果から言うと、臨也は決勝で負けた。
    惜しいところまで行ってのギリギリの敗北だったが、それは鮮やか過ぎる敗北だった。

    「ま、狙ってたことを惜しかったっていうのは変かな」
    「気づいてるんなら言うな。…そういえば、俺が休憩してる時に誰かと話してたみたいだけど…何、昔の同級生?」
    「うん。小学校の時のね。前に言っただろ?面白い奴がいるって」
    「ふぅ、ん…面白いねぇ。俺には、つまらなそうな男にしか見えなかったけどなぁ」
    「……君ってホント、自分と自分の半径内に収まる人間以外に興味示さないよねぇ」
    「何、その半径内って」
    「言い得て妙だろ?」

    ふふん、と笑う新羅にバカじゃないの。と返して、臨也は前を歩く二人の頭を軽く叩いた。その首には、おそろいの『銀色』。
    昨年の新人大会と、今日とったものだ。そう、準優勝だった理由は至極簡単。この我儘娘達が『おそろいがいい』と言ったからである。
    第一、正式な部員でもない自分が何故。と思わないでもないが…。まぁ、深く考えるのは止めにしよう。

    「新羅は今日は夕飯食べていかないんだろ?おじさん帰ってきてるらしいし」
    「臨也…それは嫌味かい、もしくはイジメ?セルティは仕事でいないし、父さんと二人っきりでの夕飯なんて怖いからごめんこうむるよ…」
    「そう?じゃあ、スーパーにでも寄っていこうか」

    臨也はまだ知らない。【つまらなそうな男】と判断した男と、近いうちに毎日のように喧嘩しあう関係になる事を。
    新羅はまだ知らない。その範囲のとても小さかった臨也が、いつの間にか様々なものを飛び越えてしまって、『すべて』を愛そうとする事実を。

    そしてまた、静雄も知らなかった。あの日あの時感じた紅い視線が、他ならぬ新羅の紹介で、数年後に出会うものだと。





    あとがき↓
    あんまり胴着な部分なかった!でもなんだか楽しかったのでいいです…。静ちゃんは手加減難しそうですが、臨也さんならふっつーに優勝を取れる…けど、めんどくさいし面白そうだから、いつもこの順位をちゃんと狙おうとかゲーム感覚で大会出てそう。……真面目に頑張ってる人からしたら腹立つなぁ…。

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