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デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
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    こっそりこそーり…

    こんばんは、最近しぶに浮気中の房藤です…

    久しぶりの更新です。文字の大きさ、あれからどうでしょうか…。
    今回少々長めに書き終えたので、元の大きさに戻します。…久しぶりに書いたら、止まらなくなったんです…。

    そういえば、部屋の掃除をしてたら本業パロ本が五冊ほど余っていることに気付きました。……需要ありますでしょうか…?


    さて、今回は喧嘩人形の登場です。

    お久しぶりすぎて変わっている部分もあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。








    …はっきりと言おう。


    今のは、避けることができた。


    何故?
    銃弾よりは遅いし、物体が重い分平行に飛ばせばスピードも減速する。まぁ、それでも規格外なのが喧嘩人形が喧嘩人形と呼ばれる所以なのだろうけども。


    では、何故避けなかった?


    一般人に手を出すのは躊躇われた…というのは建前で、今自身をかばうように凛々しく立ちあがった後輩の姿を見てみたかった、という訳でもない。
    あえて言うならば、そう。





    懐かしいと、感じてしまったのだ。





    刺すような殺気

    不快感を、嫌悪感を隠しもしない視線

    情け容赦のない攻撃





    あの、今とは正反対の日々を










    ******************************





    平和島静雄は、実にわかりやすく戸惑っていた。
    それはもう周囲の人間が一人残らずそうだと認識できるほどには、戸惑っていた。
    とはいえ、周囲の人間も突然の爆音に戸惑うしかない。
    何せ、最近はめっきり減った標識が飛ぶ光景を目にしたのだから。

    「あ…?」
    「おい静雄いきなり何やってんだ?!」
    「いや、トムさん。その…つい…」
    「ついぃ?!」

    驚かれても、彼にはそうとしか説明できなかった。
    突然体中の細胞という細胞が逆撫でされるような感覚に陥り、気がついた時には近くにあった標識を捻りきって放り投げていたのだ。
    こんな感覚はいつぶりだったろうか?

    「ったく、誰も怪我してなきゃ良いが…とにかく行くぞ。警察沙汰になったらまずい」
    「うっす」

    田中の言うとおり、最近やっと警官に目を付けられずに仕事ができていたのだ。それでも喧嘩人形の名は絶大だが、大きな騒ぎは起こさない方が賢明だ。何せ、つい先日この池袋で誘拐事件が起こったばかりなのだから。
    しかし静雄が田中の言葉に頷いて煙の舞うその場に背を向けて歩き出した時、この池袋にはなんて似合わない、凛とした声が周囲に響いた。

    「待ちなさい。そこの男!!」

    「…あ?」

    土煙が薄くなると、そこから小気味良いほどいい音を立ててこちらへ出てくる一人の女の姿があった。
    仕立ての良さげなスーツは煙で汚れ、少しだけ顔にも煤がついている。

    「うわ、人がマジでいたのか…」
    他者に標識を投げつけるなどと言う非常識極まりない行為をしておいて、背を向けるとは何事ですか!ビル等の器物破損に加え、標識は立派な公共物ですよ。投げつけるとはどういう神経をしているのですか!そして傷害罪もです!」
    「…別に狙って投げた訳じゃねぇし、誰も怪我なんかしてるようにはみえねぇな」

    静雄が手を伸ばそうと思えばすぐそこと言うところまで歩いてきた女は、眉間に深く皺を寄せていた。
    女に怪我負わせなくて良かったと安堵しつつ、静雄は同時に、この女は門田以上に頭が固そうだと静かにため息をついた。
    何というか、融通の利かなそうな性格をしている気がする。

    「私は怪我をしてませんが、私の上司が私を庇って怪我をしました!どうしてくれるんですかこの無節操怪力男!」
    「むっ…?!」

    呆気にとられる静雄とは反対に、周囲はあぁ、この子はあまり池袋を知らないんだなと納得した。そうじゃなきゃあの喧嘩人形相手にこんな口はきけやしない。
    聞けても…あぁ、極々一部な上に、最近めっきり姿は見えない。

    「てめぇ…!」
    「何です!公務執行妨害で西池袋署までご同行願いますよ!」



    「若葉、そこまで」



    女性の、明らかに警察の人間と思われる言葉に流石に目を見開いた田中だったが、何よりもそれを抑えるように響いた声の、耳へ馴染むような声に驚いた。
    制止する声に振り向いて焦ったように眉間に皺を寄せた、若葉と呼ばれた女性は苦いものを噛み潰すように呻いて言葉を吐き出した。

    「しかし…!」
    「職務中なのは確かだけど別に腕折られたとかじゃないし、こんな時に事件と無関係の些末なことに時間を割く気はない。事故でいーよ事故で」
    「警部!!」

    隣を見れば、先程女性と相対した時よりも唖然とした顔の平和島がいる。その視線の先を辿れば、土煙が晴れた先、標識が刺さるその傍らで頭から盛大に血を流して片目をつむっている…見慣れた男の姿があった。

    「新宿の…情報屋…?」

    服装はフォーマルさを感じさせるもので、埃で汚れてはいるが上等なものだとわかる。
    心配そうに手を伸ばしてくる部下を宥めるように差し出された手にあの指輪はなく、髪は襟足ほどであったが、どこかセットされている印象を受けた。

    あらゆるものが記憶と違う。
    しかしそれでも、そこにいたのは、新宿最凶の情報屋。

    「き、救急車!呼びますよ?!」
    「あぁもう、大げさ大げさ。葛原辺りに連絡してパト飛ばしてもらいなって」

    …彼に、瓜二つの…男。





    「…何か、注目浴びちゃってるし」





    ******************************





    「派手な物音がしたんですから当たり前です!」

    若葉に傷口にハンカチを押し当てられながら、避けなかったのは失態だったと今更ながらに臨也は己を呪った。
    どうやら池袋の空気に当てられていたらしい。
    無事に作動するスマホにほっと息をついて、慣れた操作で池袋の交通課に籍を置く知り合いの番号を選択した。そのまま、若葉に渡す。己が出てそのまま会話などすれば、そのまま説教の開始が目に見えているからだ。
    代わりにハンカチの上から自分で傷口を押さえて立ち上がり、自身の身体の動作を確認する。

    屈伸…問題なし。
    足首…まわしても異常なし。
    頭は…流石に動かすとちょっと眩む。
    背中などは…ちょっと打っているらしく、まぁ痛い。

    折角この間波江に買ってもらったのになぁとため息をついて、手に持っていたおかげで多少無事だったジャケットを羽織って背中をとりあえず隠すことにした。あぁ、バレないように買い直さねば…しかしプレゼントだったので店を知らない。これは、販売店調査から始めなければいけないだろう。
    肩を落とすようにため息をつけば、迎えの算段がついたらしい若葉が何を勝手に動き回っているのかと怒鳴ってきた。
    それは正論だが、この池袋では正論ではない。

    「迎えに来るにしたって、こんな道の往来じゃあ目立つだろ。パトつけやすいとこまで移動するよ」
    「いやそう言うことじゃなく…!というか、署まで同行願わないってどういうことですか!関係者だったらどうするんですか!」
    「関係者かは知らないけど…さっき言った通り、池袋署はそれこそてんてこ舞い状態だぞ。所轄に迷惑かけてどうすんの」
    「いえこの場合迷惑にはなりません!」
    「いや、なるって。事故でいいよもう事故で。うん」

    有無を言わさぬように微笑めば、ぐっと若葉が息を詰まらせる。数秒してため息をついたかと思えば、名前と住所と上司の名前だけ控えます!と、釈然としない顔で、未だ唖然とこちらを見ているバーテン服の男の方へ走っていった。

    そんな間抜け顔に、追い打ちをかけるようにゆっくりと微笑んで、一言。



    「そちらの方もバーテンさんみたいだしこれから仕事だろうから、お手間とらせないようにね。若葉」




    ******************************





    あれは、誰だ。

    池袋の、既にかつてとなった非日常を知る人間は、頭に怪我を負いながらも優しげに微笑んだ一人の青年に対してそう思った。むしろ叫びたいくらいだったが、どこか理性がそれを抑える。
    それはまるでドッペルゲンガーだと思ってしまうくらいには、似通った見た目と声だった。
    むしろ、それしか似ていないとも言えてしまうだろう。

    自分達が知っている彼は、誰もが眉をひそめるくらいイヤミな笑顔しかしなかった。
    何本持っているのか定かではないほどナイフを隠し持ち、その手並みは第三者として傍観できれば見事としか言いようがなかった。
    人をおちょくって追いつめて、それを高見から見ている。明らかに喧嘩人形とは違う意味で人外な人間。

    その男は、頭に怪我をおったにも拘らず部下らしい女性を落ち着かせるように穏やかだった。出てきたビルの責任者に事の顛末を説明し、自身の名刺を取り出すくらいには身元もしっかりしているのだろう。
    黒で塗り固められていない服装は季節を感じさせる今時の格好で、トレードマークみたいに二本の指を支配していたそれらはない。
    あの標識からあの程度の怪我で済んだというのは何処か通じるものがあるが、顔と声くらいしか共通点はない。

    「…違う、か…」
    「もしかして、あの人がこの間事件でここに来たって言うイケメンの一人?」
    「どっかで血ぃ繋がってんじゃねぇのか?気味わりぃな」
    「警部って呼ばれてたし、この間の【折原】さんはあのお兄さんで決定?」

    徐々に落ち着きと喧騒が戻ってくる。若葉と呼ばれていた女性も、平和島の本名と居住地、電話番号に、所属会社まで聞いて満足したらしい。田中に向けてだが、彼女自身の名刺を手渡してきた。

    「それでは、事態が落ち着き次第ご連絡差し上げますので…」
    「あぁ、悪かったな。……警察庁…」

    お偉いさんもお偉いさんだ。誘拐事件の捜査か何かで立ち寄ってこうなったのだろう。そりゃあ昔の池袋の日常と現在の池袋での重大事件、どちらを優先すべきかなんて現状わかりきったことなのだろう。

    「…なぁ」
    「……なんですか」

    未だ呆然としている平和島は、ため息をつきながら傷口を押さえ、迎えに来たらしい白バイ隊員の格好をした男性と話す、男を見ていた。
    ここまで近くにいるのに、ここまで何も思わないのは初めてだ。



    「…あれ、誰だ?」



    初めて会ったあの時から、その感情は変わらずあるはずだった。たとえ何処かで野垂れ死んでいようが、何処かの裏で生きていようが。
    でも、目の前にいるはずなのに、不気味なくらい何も感じず思えない。

    そんな自分が、平和島静雄は数十メートル先にいる天敵そっくりの顔の男よりも不気味に感じたのだった。





    あとがき↓
    久々の!本業パロ更新です!他ジャンルへの浮気が激しいですがメインはやっぱりコッチ…!しかし久しぶりに書くと上手くいかないものですね。さて、次は闇医者殿にお出まし願いたいと思ってます。早めに更新頑張るぞ!

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