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63000hitのリクエスト小説です。
本っっっ当に遅くなってしまって大変申し訳ないです。
リクエストは「皆でほのぼのとお食事会」。池袋の街中だと人数がかなり多くなりますので、縮小させていただきました。その分、時代は高校時代と現代二つで。幽視点。
(来神組+俳優)+(戦争コンビ+俳優)
こんにちは。俺は、平和島幽と申します。
俺には大事な兄がいて、その兄が高校に入ってから、とても楽しそうにしている原因…というか、要因を知り、自分としても何だか嬉しいと思っている今日この頃。
「あ、幽君。それ、盛りつけ終わってるから持って行ってもらっていいかな?」
「はい」
そんな今日、俺は、兄と共にその折原臨也さんの家に、お邪魔しています。
**********
「ったくもー。静ちゃんも手伝ってよ。幽君もドタチンも手伝ってくれてるのにさぁ?」
「新羅は良いのか」
「俺はあいつに関しては諦めてるよ」
折原家は、結構広い。
家自体は普通の一般家庭と何ら変わりない大きさだが、その庭の面積を大きくとっているため、敷地でいえばかなりの広さがある。
臨也曰く、「母親の趣味はガーデニング」らしいが、家にほとんどいない人間の趣味を反映させた家でいいのか。
しかしそれでも、この家の庭は、美しい草花であふれている。主に世話をしているのが臨也で、その手伝いをして、朝の水やりなどをしているのが妹二人らしい。
「しかし、良かったのか?邪魔して」
「いいよ。妹達も二泊三日の林間学校でいないしさ。俺一人じゃ暇だったし」
門田がそう言いながら、紅茶のカップをおいて行く。それにこたえる臨也は、庭の片隅にある大きなゴミ袋二つを見て苦笑した。
実は今日、庭の手入れを久しぶりにやってしまおうと、雑草などを抜いていたのだ。そこに、新羅から電話が入り、流石に、中学からの付き合い。家の花が咲いていることは知っていたらしい。行ってもいいかと聞いてきた。どうやら、愛しの女性は仕事でいなかったらしい。
それに承諾し、ただし、軍手を持って、庭の手入れを手伝え。そうしたら昼飯だろうがケーキだろうが出してやる。というと、流石に一人じゃすぐに終わらないと思ったのか一人で労働するのが嫌なのか、門田や静雄、それに幽まで引っ張ってきたのである。流石に、あの時は呆れた。
そして、お昼休憩として春キャベツの炒飯に新玉ねぎの入った中華風スープ。シーザーサラダと、なかなか豪華な昼食を挟んで、庭が綺麗になったのは午後二時を少し過ぎたところであった。
そして、一番体力のなかったらしい新羅は、ばてて室内で休んでいる。
「ほら新羅、これが目当てで来たんだろ!早く復活しないと静ちゃんが全部食べるってよ~」
「それは勘弁して……」
臨也の声に、のっそりと新羅が起き上る。どうやら、真のインドア派に、長時間の草むしりはつらかったらしい。
一方、インドア派に見えるアウトドア派の臨也は、元気にキッチンと庭を行き来している。
見た目からしてアウトドアの門田は臨也を手伝い、静雄は椅子に座ってボケっとしていた。
そして、一見インドア派の幽は、流石に静雄の弟。アウトドア派というか…新羅よりは体力があったらしい。
「ほら、座って座って。今日の紅茶はジョルジっていうちょっと甘めなお茶で~す」
「…オレンジ?」
「色はそうだね、オレンジ色かな。お菓子も色々作ったよー。そっちはスコーン、味の種類は三つね。で、こっちは苺のオムレット。あと、苺のシャルロットケーキ。知り合いからたくさん苺もらってさ。あぁ、あとこっちはマドレーヌとブラウニー。この二つは昨日暇つぶしに作ってみたんだけど…まぁ、良かったら」
「…何で、一人で家にいるのに暇つぶしで作るんだ。食べきれないだろ」
「そうしたら、いつも行ってるお店のおばちゃん達にでもあげればいいし。明日妹達帰ってくるから、あげてもいいし。ほら、いいから食べよ」
男五人が座っても余裕のあるテーブルには、臨也が言い並べたデザートが綺麗に並んでいた。いつもいつも思うが、男子学生が菓子を囲んでいるというのはまぁ…不思議な光景である。
「臨也、お茶お代わり…」
「…新羅、お茶だけ飲み干すつもりかい?まったく…」
「あ、これ美味しい…」
「臨也、それとれ」
「あぁ、はいはい。ちょっと待ってて」
自分も席に座っているというのに、ホスト側であるからなのか慣れてしまったからなのか、臨也は食べもせずに盛ったり淹れたりと忙しそうだ。
自分はあまり手を借りないようにしよう。と、門田は黙って、マドレーヌに手を伸ばす。
勿論、静雄が次に何に手を伸ばすかを考えて、狙っているそれを取らないように考えながら。だが。
**********
「……ってことが、ありましたよね」
「あ~…あったねぇ。あの時、静ちゃんは片づけもせずに縁側でのんびり昼寝までしやがって…もう、思い出すと腹が立つよ」
「うっせぇな。ゴミ袋運んでやっただろうが」
「だとしても、片づけが終わったー!と思ったらばててた新羅と一緒に突っ伏して寝てられると、呆れちゃうよ」
新宿・高級マンションの一室。
そこには、人気俳優の羽島幽平と、池袋では言わずと知れた喧嘩人形、そして、新宿の情報屋が揃っていた。
何も知らない人間からしてみれば、首をかしげたくなるような、それえいて、何だか恐ろしい組み合わせである。
「はい、お待たせ。急に来るもんだから、こんなものしか出せなくてごめんね~?」
「あ、いえ……。美味しそうです」
「おい、フォーク」
「はいはいはい…。ったく、静ちゃんもたまには『おいしい』の一言が欲しいよね」
「……………………いーからよこせ」
臨也の言葉に眉間に皺を寄せた兄を見て、幽は少しだけ笑った。
そう言えばあの時も、静雄は臨也に対して食事の感想なんか一言も言わなかった。
ただ、無言で皿を突き出したりして、それに困ったように臨也が笑って。
「えっと…あの、」
「「?」」
「……また来ても、いいですか」
前に進んでほしいなとは思うけれど、そうなると、自分も一緒に。なんて言いづらいから。
まだまだ子供かもしれないが、この、空気だけは一人前に恋人以上の二人と、もう少し一緒にいたい。
「もちろん、いいよ」
「大丈夫だ。こいつが嫌だっつっても、あの入口くらい吹っ飛ばしてやるから」
「ちょ、それじゃ警備会社来るから!!」
こんにちは、俺は、平和島幽と申します。
今、羽島幽平という名で、俳優をしています。
大好きな兄がいて、そして、
義兄になってほしいなと、思っている人がいます。
あとがき↓
戦争コンビが一緒の空間にいる一番のキューピッド(?)は料理ですが、人間でいえば幽が一番かもしれません。
リクエストの方、こんな感じでいかがでしょうか…?