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さて、臨美さんを書くのは久しぶりな気がしますね…。上手く書けるかちょっと心配……。
とりあえず、初めての臨美さん、貞操の危機(?)。あと、ちょっと、少々…貞操の危機へと至る嫌な表現もありますので、苦手な方は申し訳ありません(汗)
拍手返信はのちほど!!
戦争コンビ+取り立て屋+生贄の皆様
あぁ、ヘマ、したなぁ…。
そう思ったのは、後ろから殴られたと悟った時だった。
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「おい、目ぇ覚ましたぞ」
「おぉ、こう見るとなかなかに綺麗なツラしてんなぁ」
「薬漬けにでもしてうっぱらうか?」
下衆な笑いと、前髪を掴み仰向けにされた衝撃で、臨美はその目を開いた。
目の前にいたのは、先日、ライバル会社に潰された会社の、社長。そして、以前一度だけ取引した相手。
「お久しぶりですねぇ、折原さん。この度はどうも?」
「ははっ…良い趣味してますねぇ社長。逆恨みですか?」
どんなに屈辱的な状況でも、臨美は決して屈した態度を取ることはなかった。それどころか、相手を煽るかのように挑発的に笑う。
「女は手篭めにできれば良いなりとでも思っていらっしゃる?申し訳ありませんが、私は貴方のような男と寝る趣味も、貴方のような男に手篭めにされる趣味もありませんよ」
その部屋は、ホテルの一室のようだった。少し広い部屋、ベッドに悪趣味に手錠で四肢を繋がれている臨美には、何もすることはできない。
それでも、空間を支配しているのは、折原臨美その人だった。
「貴様っ…!」
そこで男の部下が武器を取り出そうと懐に手を伸ばした時、臨美は張り上げられるだけの声をあげた。
ここは、ホテルと言えど安い造り。壁など薄いだろう。そう、確信して。
例え犯されようが拷問を受けようが、こんな下衆に殺されたりはしない。
自分を殺せるのは、たった一人。
「手篭めにできないと知れば殺すか!?別に結構、その瞬間、新宿にいる私の部下や他の情報屋達も動き出すでしょうねぇ、それに、理解しておられると思いますが、私が死ねば一日経たずして、ここぞとばかりに本物の手錠を持った警察が池袋に乗り込んでくる!まさか、理解しておられぬとでも?!」
その言葉に、男達がピタリと動きを止めた。
たかが小娘。そう思っていたのだろう。しかし、相手は情報屋。新宿最凶の名を女でありながら持ち、国内のみならず、世界中にその太いパイプを持つ。
自分だけではなく、親類縁者一人残らず、歴史と世界のうねりに、肉片一つ残さず消えるだろうことは明白だった。
「くっ…!うるさい!」
「ガッ…!」
「うるさいうるさいうるさい!貴様の、貴様のせいで妻も、娘も、皆離れて行った!私には!もう一度!成り上がるしかないのだ!!」
「も…ともとは、貴方が、闇で臓器を片っ端から売っていたことが元凶では?!」
「うるさいっ!!」
言葉が途切れる度に、臨美の腹や顔、足にその拳が入る。素人ゆえに下手で、そして人体の仕組みを理解していない攻撃は、よけることもできない臨美には苦痛だった。
殴り飽きたと見ると、男は臨美の服を力任せに引き裂く。
「っ…!」
「やはり女だな。恐いだろう、泣け、叫べ!!ほら、お前達。こんな何やっても誰も何も言わないような女いないぞ!」
その言葉に、手足を封じられ、ただなすがままになっている、極上の女性と呼ぶに相応しい造作の臨美に、部下達の幾人かは喉を鳴らし、幾人かは黙って手を伸ばした。
数人の男が群がるように近寄ってくるその光景に、例え犯されようが拷問を受けようがと、そう考えていた決意が、揺らぐ。
恐い。
こわい。
恐い怖いこわい。
こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいッ!!!
静ちゃんっ!!
何故、そう思ったのかは分からない。
だが、脳裏に浮かんだのは、その人だったのだ。
そして、その声にまるで応えるかのように、ワンルームのそのホテルのドアが、鍵も、チェーンロックもすべて無視して、まるでもろいベニヤ板のように、派手な音と共に吹き飛んだ。
あとがき↓
書いているうちにどんどん長くなったので、前後編と言うことでっ!!