凄いですね…。日本海側だからかわかりませんが、連日雪と風と雨が…。0℃以下の日も多い…です。皆様も風邪をひかないように気を付けてくださいね…。
さて、年終わり、明日には実家帰省なこともあり、年内更新はこれが最後…か、と、思います。年末が近づくにつれて更新もできず本も出来上がらずと、楽しみにしてくださっていた方には申し訳ない思いです…。年明けに何回か東京に行く用事はありますが、イベントに行くわけではないですし…。2011年は再録本を必ず出すことを目標に、細々とやっていけたらと思います…。とりあえず、が、学業優先で…(汗)
年終わり&遅れたクリスマスということで、数本投下しておきます……。あ、季節性はない…です…。
情報屋ファミリー+来良組+オリキャラ
さて皆様、一つ話をいたしましょう。
この国には、八百万の神という言葉がございます。これは、多くの神々がいらっしゃるということでありまして、人々を見守っていてくださっているのだろうと思います。
その八百万の神に慈しまれ、そして神に力と祈りを捧げる仔がおりました。
仔は、凡てを見通す眼を持つものであったり、
凡てを粉砕するものであったり、
人間が作った文明の機器に干渉するものであったり、
言霊を自在に操るものであったり、
天を翔るものであったり、
様々な力を持って、妖の世界を人の身でありながら縦横無尽に駆け回っておりました。
神に祈りと力を捧げる人間でありながら、愉しげに神霊・妖関わらず接し笑う様は、人間とは思えぬ物とも言えましょう。
人と妖の間に立ち、人でありながら妖の側にさえ立つ仔。これを人非人と申すのでしょうか?あぁ、違いましたか人の世の言葉は難しゅうございますな。
私?
私は鞍馬の山に住む、しがない修験者にございます。仔とは彼らが幼い頃からの付き合いでございます。人の世に揉まれて、並の妖共より腹黒くなってしまったのが少々残念なような、しかしどこか嬉しくもあり…。少々複雑な親心でございます。
あぁ、親というのもおかしゅうございましたかな。さて、それでは、皆様よいお年を。我らは我らで、酒を酌み交わして年を越そうと存じます。
改めて、仔らの噺を、見聞きしてやってくださいませ。
**********
「じゃあ、明日の夜がちょうどいいから、明日の夜ってことでいいかな」
「さんせーい!」
とある昼。波江が正臣と沙樹の来良学園への転入手続をしに行ってしまったので臨也をはじめとした四人はホワイトボードに池袋の地図を貼って打ち合わせをしていた。
三人がうなづいて、リオはのんびりと月齢カレンダーを確認する。
「明日は、満月やなぁ…リン、今日行ってえぇか」
「池袋?」
「せや…えぇ?」
「誰かと一緒なら…さっすっがっに、お前が一人で出歩いて海越えられるんは困る」
「……」
そこまで迷わん。とリオは言おうとしたが、リン…臨也や六実には散々迎えに来てもらっているので、否定できなかった。とりあえず、よく写真を撮りに行く国や得意の取引先などは、大使館などに連絡を入れる前にリン達にとりあえず一報入れるほどだし、大使館なども自分の捜索をリン達に任せても大丈夫だと思うくらいには…いつの間にか信頼関係が出来上がっていた。
そんな中でも、情報屋コンビのリンとリツは自分の情報網を広げているのだから抜け目がないというか…。
「わかった…。じゃあ、お前の従業員、一人」
「あの子らじゃあ慣れてないやろ。二人にしとき~」
「…ん」
己の足は、無意識に心惹かれるものを撮るために動く。視るために動く。
すべき仕事だとわかってはいるが、この足は永遠に止められない。それを友人皆もわかっているのだから、苦笑いして迎えに来てくれるのだ。
ジープとか、水上オートバイにボート、ヘリ…そういえば、ここ数年で周りの取得免許数が増えた気がする。
「…リュウ」
「?」
「お前、何の免許もっとる?」
「免許?普通自動車の…マニアルと、一応小型船舶免許…特殊やから、水上オートバイのだけやな。それがなんかしたか?」
「……いや、これくらいが普通かなと思うただけや」
**********
「お邪魔します…って、あれ、正臣たちいないんですか?」
「あぁいらっしゃい帝人君…。杏里ちゃんも。正臣と沙樹なら、リオの付き添いで池袋だよ。多分、何かいるか見に行ったんだろうね」
「はぁ…。他の人は?」
「買い物。『東京土産買いこんで打ち上げする!!』って言って出かけたよ」
「……似てますね」
帝人と杏里は、ここ数日賑やかだった臨也の家に、臨也しかいないことに少しの違和感を感じた。波江は自分の家に帰っているらしい。
「夕飯までには帰ってくると思うし、君達も好きに過ごせばいいよ。あぁ、教師陣の弱みとかは内緒ね。まだ使ってるから」
「…それは臨也さんだけだと思います…」
椅子に座って愉しげに笑いながらパソコンを操作する臨也は、丸に近くなった月を背負って別人に見えた。
初めて会った時からそうだが、静雄を化け物という臨也の方が、よほど人外のほうに見える。そう、臨也の幼馴染だという人に言えば、彼は楽しげに笑った。
『それはそうだ。喧嘩人形とやらは人だ。限りなく人から遠いかもしれない人。だから臨也は、彼が嫌いなんだろうね』
訳が分からなかったが、いぶかしげに眉を寄せても笑うだけでそれ以降答えてはくれなかった。本人に聞けということだろう。……何となく怖いので聞けるわけがないが。
そう、帝人が考え込み、杏里はキッチンでお茶を入れている間、臨也は外の月を見つめて実に楽しげに笑っていた。
「さぁ~て……楽しみだなぁ楽しみだなぁ。久しぶりに……どうやって、遊ぼうかなぁ?」
平和島静雄…彼とは違う。本当の『バケモノ』と相対するのは本当に久しぶりだ。それは楽しい楽しい、年の瀬の宴のような騒がしさであればいい。
そんな、幼い頃の山の祠で騒いだ宴を思い出す。誤って酒を呑んでしまって物凄く怒られたなぁ、と思い出し笑いをしつつ、そんな様子を帝人が目撃して引いているのを知りながら、今度は上手い酒を大量に土産しようかと、ネットで酒を見繕い始めた。
あとがき↓
久しぶりすぎて、ちょっと書き方忘れ気味…?でした…。
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