ちょこっとお久しぶりです。皆様、リクエストや暖かいお言葉、ありがとうございます。色々とリクをいただいているうちに、「復習せねばっ…!」と思ったシリーズもあったので。銀魂クロスのものです。お話の内容とは一切関係ありませんよ!!……多分。
若干銀魂のネタバレありです。
情報屋+大工+…?
『は~っはっはっは、さ~らば~!!』
ズズッ、ズズ~・・・・・・
『ルパンじゃないヅラだ!…あ間違えた桂だ』
ズズズ………ゴクゴクゴク…
『あぁ…ラーメンこぼして捨てた』
プハッ
「はぁ~…食べた食べた。うん。ラーメンなんて久しぶりに食べたよ。ここにはよく来るの?ドタチン」
「いや、俺も同じ長屋のやつに聞いて…って、お前はまたDVDプレーヤーなんぞ持ち出して食いながら何見てんだ…」
江戸某所のラーメン店で、二人の青年がテーブル席に座りながらそんな話をしていた。
一人は、頭にタオルを巻き、なかなかに立派な体躯をした、作務衣を着た青年。もう片方は、大店の店主のような仕立てのよさそうな服を着た、長い髪を一つに束ねた青年だった。
「いや、江戸は物騒だってきいてさぁ」
「あぁまぁ…物騒っちゃあ物騒だな」
「吉原のこともあったし、真撰組の内部抗争、紅桜……聞いてはいるんだけど、どんなもんかと詳しくは知らなくてね、知り合いが分かりやすくまとめて映像化してくれたんだよ。解説付き」
「お前は…」
「大丈夫、一回見たら…」
ボンッ!
「…ほらね。壊れるように細工してあるから」
しかしなぁ。と、作務衣の青年…門田京平はため息をつきながらも水を飲み干した。いきなり、自分の休みを知っていたかのように現れたこの友人は、自分を驚かすのがとにかく好きだった。天人嫌いというわけでもない、便利なら利用すべきであるという超合理主義な一面もあった。しかし、戦争にも出た。未だに門田は、この青年を…臨也という青年がわからない。
「…まぁ、今のは紅桜の復習編だけど」
「…は?」
「あぁいや、こっちの話」
臨也は公演で、わざわざ江戸に出てきたらしかった。京都からはるばる来るのかと聞けば、幕府のお偉方の圧力付きらしい。確かに、京を中心に活躍する歌舞伎の女形、『奈倉』を江戸に招いてお偉方に見せるとなれば、京とのパイプを持っているといえるのかもしれないが。
「公演には出るのか」
「出なきゃダメだろーねぇ。ま、楽屋には誰であろうと通さないっていう条件付きだし、千秋楽には将軍様来れないし、幕府のお偉方もしかりね」
「千秋楽…あぁ、祭りの日だったな。抗議はあっただろ」
「あったけど、俺らが聞かなきゃいけない必要性なんて、ないでしょ」
そう飄々という臨也に、あぁ、こいつはこう言う奴だったなと門田は項垂れるしかない。権力も、名声も、臨也の前では無価値だ。
「…あの人、元気か」
「情報が入ってるでしょ。元気も元気。……ま、多少拗ねてるけどねぇ」
「拗ねる?」
「ちょっとした喧嘩が、拗れたみたい。全く、さっさとあやまりゃいー話なのにねぇ。そう思わないかい?」
「…すまん。話が見えん」
「はは、後で話すよ。まずは店を出ようか。行きたいところがあるんだ」
案内してよ。と財布と伝票を持った臨也は、門田が声をかける隙もなくさっさと会計に行ってしまった。仕方なく、門田は煙を発しているDVDプレーヤーを持ち、臨也のもとへ向かう。
「お前が知らない場所なのか?それとも、池袋?」
「うぅん、違うよ~。行くわけないじゃん。俺が宿をとってるあたりで、公演の舞台がある町でもあるんだけどさ…あんまりわからないし。それに、ドタチンに会わせたい人もいるんだ。その様子じゃあ知らないみたいだし、一緒に行こうよ」
「俺に…?お前、他の連中より先に来たとか言わなかったか」
「うん。まぁ、何人か大道具の搬入準備で一緒に来たけど、彼らは違うよ。さぁ行こうか!」
無邪気に笑った臨也は、門田の手を取り、駅への道を歩く。
「おい、どこに…」
「もちろん、かぶき町に!」
………………………復習です。
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