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デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
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    フランシス兄ちゃんのお名前が間違ってました…。教えてくださった方ありがとうございます。

    さて、後編。イタリアの街をぴょんぴょんと跳んでいいものかと思いますが、どうか皆様優しい目で見てください。


    情報屋?+『国』





    久しぶりに、屋根を蹴った。
    建物と建物の間を迷うことなく跳び進む臨也は、下を歩く人々にはあまり知られず、しかし、近くの建物の二階にいる人間達からは、その姿を視認され唖然とされていた。

    まるで、羽でも背に生えているかのよう。

    そう言ったのが誰かは知らないが、そう言われたのだと、後で臨也は知らされ、苦笑した。
    羽が生えているなら真っ黒だろうと何気なく思えたから。
    それにしても、久しぶりに来た地上10m以上の世界は、言い表しがたい快感を臨也に与えていた。

    優しく吹く風、海の薫り、日本とはまた違う、上から見た街並み。

    そのすべてが、美しく、また暖かい。

    「さ…てと。藍色帽子の子は何処かな?」

    昔から、探しものには定評がある。
    何せ、『情報屋』であったのだから。
    そう、現在休業中の『副業』を思い出し、臨也はひっそりと苦笑した。










    ********************










    一方その頃、ギルベルトとアントーニョはエリザベータの財布をスった少年達を的確に追っていた。
    少年達より土地勘はないが、体力とこういった経験は並の人間の数十倍はあるのである。

    「と・ま・り・や・が・れぇぇぇっ!!」
    「うぉ、ギルっ!」

    距離約1mまで瞬間的に追い詰めたギルベルトは、勢いもそのままに、藍色の帽子の少年にタックルを仕掛けた。
    勢い余って地面に激突するかと思われたが、少年をしっかりと抱き込んだまま、受け身をとってクルリと地面を転がる。

    「やったやん、ギル!」
    「おぅ、何とか…」

    そこで、ギルベルトは気づいた。
    その少年の『服』が違っていることに。

    慌てて辺りを見渡すと、その目的の少年の『服』を着た子供が、すぐ近くの路地に入ろうとしていた。

    「トーニョ、そこのだ!」
    「え?」
    「こいつじゃねぇ、追いかけろ!」

    その意図に気づいたアントーニョがさっと踵を返してそちらの方へ走ろうとした、その時。



    空から、人が降ってきた。



    「…は?」
    「見ーつけたv」

    にっこりと笑ったその少年は、黒い髪に、黒を基調とした服装で、それとは対照的に白い肌を持っていた。顔立ちは、どちらかというと東洋人。
    そして、その瞳は紅かった。

    「っ!」
    「っと、はい、おしまい」

    少年がその拳をグッと振り上げて繰り出した時、その少年はくるりと、その肩に手をおいて宙を舞う。
    まるで、万物の法則を無視しているかのようなその動きと共に、少年は手慣れた動きでその子供の腕をとり、地面に落して動けないようにと関節技で動きを封じた。

    「えぇと…」
    「…あ、この子ですよね?茶髪のお姉さんから財布とったって言うの」

    困惑しながらも話しかけたアントーニョに、少年はにこりと笑った。





    **********





    「へぇ…フランの知り合いだったのか」
    「そ。腕のいい子でね~四月からフランスに留学で来てる」

    とあるレストラン。
    夕食時のその一角に、臨也を含めた彼らはいた。
    エリザベータが、お礼がしたいと誘ったのだ。

    「ボヌフォアさんには、色々と教えてもらってます」
    「フランが先生か~何か不気味やわ」
    「何言うのトーニョ。お兄さんはしっかり教えてるよ。ねぇイザヤ?」
    「はい」

    女性のナンパの仕方から教えてもらいました。
    そう臨也が笑いながら言うと、エリザベータのフライパンがスパン!とフランシスの後頭部を狙う。
    それに目を瞬かせながらも、臨也はまぁ、フライパンは…良いか。と、深く考えない事にした。

    「今度、こいつが何か変なこと教えようとしたら遠慮なく言ってね?フライパンでぶったたくから」
    「あ~…ほどほどにしとけよエリザ」
    「は、い…」

    この間呑みに連れてってもらった時、酔って壊れたのか全裸でこちらに走って来たとか、それに条件反射で上段蹴りくらわせちゃったとか、言わない方がいいんだろうな…。と、臨也はその出来事を口には出さず心の奥底にしまった。言ったら言ったで面白そうだが、またの機会にしようと思ったのだ。

    「イザヤ、か…」
    「はい?」

    ふと、隣に座っていた銀髪の青年…ギルベルト、と名乗っていた青年が、臨也の名前を呟く。

    「あぁ、いや…『イザヤ書』のイザヤだと思ってな」
    「旧約聖書ですか…」
    「お、知ってんのか?」

    少し嬉しそうに顔をほころばせた青年は、歌うように、謡うようにその唇を開いた。

    天よ、聞け、地よ、耳を傾けよ、主が次のように語られたから、「わたしは子を養い育てた、しかし彼らはわたしにそむいた。
    牛はその飼主を知り、ろばはその主人のまぐさおけを知る。しかしイスラエルは知らず、わが民は悟らない。
    ああ、罪深い国びと、不義を負う民、悪をなす者のすえ、堕落せる子らよ。彼らは主を捨て、イスラエルの聖者をあなどり、これをうとんじ遠ざかった。

    「……あなたがたは、どうして重ね重ねそむいて、なおも打たれようとするのか。その頭はことごとく病み、その心は全く弱りはてている…ですよね?」
    「…中見も知ってんのか」
    「名前が一緒だななんて。以前。でも、貴方も凄いですよね。迷うことなく…」
    「ギルちゃんはな?聖書関連とかはぜ~んぶ覚えとるんよ。ここ何やったっけ~って聞けばすぐに教えてくれるくらい」
    「へぇ…」
    「んな、大したことやねぇよ。昔っから読んで、染みついただけだ」

    くしゃり、と頭を撫でられる。
    自分より少し年上なだけに見えるのに、なんだかすごく子供扱いされている気がする臨也だったが、何故か悪い気はしなかった。

    「それにしても凄かったな、あれ」
    「?」
    「一瞬、空から降りて来たみたいだったぜ。おかげでまた走らなくてすんだけどな」
    「あぁ…パルクールですか?」
    「パルクール?」
    「フランス発祥のスポーツなんです。俺は、それをちょっとアレンジしたんですが…移動と言うより、逃走用に」
    「……逃走?」
    「はい、逃走です」

    何故逃走?とは、ギルベルトは聞けなかった。
    本能で察したというか、聞いてはいけないと思ったのである。
    その代わりに、ギルベルトは好奇心からかとんでもないことを言い出した。

    「な、そのパルクールっての、教えてくんね?」
    「え?」
    「勿論、教師代は出す。俺んちはドイツの…ベルリンにあるんだけどよ。うちに泊まってもいいし、俺が行ってもいい。都合のいい日を教えてくれれば俺から行く。どうだ?」
    「え?いやでも…」

    な、頼む!

    そう手を合わせて頼んできたギルベルトに、たまには教える側も楽しいかな。と、臨也は頷いた。
    すると、パッと顔を明るくしたギルベルトが、その手を差し出してきた。

    「改めて、俺はギルベルト・バイルシュミットだ。よろしくな、イザヤ!」
    「はい、こちらこそよろしくお願いします。ギルベルトさん」

    幸か不幸か、二人以外の人物達はアントーニョを除いてこの会話を聞いていなかった。聞いていたアントーニョはと言うと、ギルちゃんのスキルがまた増えるな~とのほほんと思っていたくらいである。
    パルクールをある程度習得してからその時のことを知ったエリザベータは、その時しっかりと会話を聞いていなかったことを心底後悔した。

    「あ、てか、俺フランスに帰らないと…」
    「あ、お兄さん達が泊ってるホテル、手配しといたから~」
    「良いんですか?そんなことして」
    「エリザベータの恩人って言ったら、フェリシアーノもロヴィーノもなら良いって言ってくれたよ」

    ウィンクと共にそう返すフランシスだが、臨也としては泊まる金もないのに、と慌てるだけである。
    が。

    「んじゃ、明日は俺と一緒に観光するか?」
    「ぇえ?」
    「ちょっとギル、あんた仕事は?」
    「明日はヴェストだけ。俺は昨日で終わりだぜ~。ケセセ、行きたいところがあったら言ってくれよ!俺様で知ってる所なら案内してやる」
    「え、あ…」
    「イザヤ、遠慮しないで案内してもらったら?ギルちゃんとしても、捕まえてくれたお礼がしたいんだろうしさ」

    フランシスにそう言われ、周りから視線で頷かれて、臨也はお願いします…。と、小さな声で呟いた。










    ********************










    「ンなこともあったな~」
    「ギルさんも、結構上手になりましたよねぇ」
    「おぅ、おかげで、仕事が早く終わった時、押し付けられる前に逃げれて大助かりだぜ!」

    臨也は、手伝ってくれといきなりの電話を受けて、スペインへやって来ていた。
    何でも、ロヴィーノやフェリシアーノがルートヴィッヒ達と遊びに行ったとかで、収穫の手が足りないとかで。

    「そうそう、今度イヴァンが会議でこっちに来るんやて。臨也に会いたいとか言うとった」
    「そうなんですか?」
    「おぅ。せやから、フランシス経由でバイト頼むわ。まぁ、元々また頼もうとは思っとったけど」
    「分かりました」

    あれから、二年経った。
    あの日以来、臨也のヨーロッパでの生活は一変したと言っても良いだろう。交友関係は広がり、また、数日間も拘束されるバイトが増えた。
    しかし、それが今は楽しい。
    それは同時に、あの日本での日々が遠くなったことを示していても。

    「そういや、日本には帰んねーのか?菊の奴が何か色々言ってたけど」
    「帰ろう帰ろうとは思ってるんですけど…、どうにも、タイミングがつかめなくて」

    実際、帰ったら確実に会う人々が、恐い。
    半ば黙って出て来たようなものだったし、会って拒絶されたら怖いという、何かがあった。

    「まだしばらく、こっちで勉強します」
    「いや、それはそれで嬉しいけどよ…。あぁ、この間お前がヘルプで一週間入ってた俺んとこ」
    「はい」
    「評判良かったぜ~?また来いってよ。客でもバイトでも大歓迎だとさ」
    「本当に?」
    「イザヤは人気もんやな~。あ、そや。フランシスどうしてるか知らん?携帯繋がらんねん」
    「?あぁ……



    昨日、酔って裸で潰れてしまったので、一応ブランケットだけかけて放置してきましたけど…」



    「「……」」
    「?」

    さらっと出たその言葉に、そろそろ、ブランケットをかける優しさが無くなるかもしれないなと思いながらも、今頃二日酔いで頭を押さえているであろう悪友を思って、二人はため息をついたのだった。





    あとがき↓
    パルクール最初の方だけでしたね…。すみません。そして、兄ちゃんが何やら損な役回り(?)に…。でも、ギルいじるよりはフランシス兄ちゃんいじる方が何だか好きな自分です。
    さて、こんな感じで出会って、留学期間一年目&三年目、猫をまだ被ったままなのと、ほぼ脱ぎ捨てながらも優しさは持ってる臨也さんでした。

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