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デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
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    100000hit-03!

    今週のテスト、終了ですー!とはいっても、これからちょっと講座のオリエンテーションと部活もあるのでまた出かけて来ます。


    さて、3つ目です3つ目。
    罪歌と臨也…確かに、共通点ありますよね、色々。リクエストの内容から、パロカテゴリに入れました。My設定が入ってしまいましたので(汗)


    妖刀+情報屋


     




    それは、ぼんやりとした夢の中。
    私が、あの子の、杏里の中で、眠る時間。



    「やぁ、罪歌」



    今日も私は、彼に会う。










    ********************



     







    「……久しぶりね。貴方に会うのは」
    「そうだね。俺も最近仕事が忙しくて、他に構ってる暇がないからね」

    夢の中で美しい椿の絵が描かれた、黒と赤の浴衣を着たその男は、その艶を隠さずにたたずんでいた。

    「お座りよ。俺の夢まで渡ってきて何か用?俺のことは嫌いじゃなかったのかな、罪歌は」

    その声と共に、光景は変わる。
    夜闇に似た闇から、古風な日本家屋の、美しい庭を望める縁側へと。
    それは、罪歌にとって懐かしい光景だった。

    数百年前の日本。
    豊かで美しく、人々が自然と生きていた時代。
    朱色の座敷牢。
    蒼の庭、
    緑の木漏れ日。
    黄の黄昏。

    すべてが、美しく見えた、時代。
    あの光景がある場所へと、未だ罪歌は戻れずにいた。

    「この景色は、嫌いかな」
    「…嫌いじゃないわ。私が生まれて、育ち、刀となり……還りたい、場所だもの」

    そして、横にいる男が、その家族が、生まれ育ち出て来た、場所。
    この光景は、罪歌と臨也の生まれ故郷の景色であった。

    「私は…人に愛されたかったわ」

    人に愛されたいと思った。それ故に、『母』となれば『子』に愛され、人として人に愛されるのではと思ったのだ。
    しかし、それはただの夢幻。泡沫の夢。
    人は、どんなに愛そうと思っても、己と同じもの以外に、平等な愛を捧げられはしないのだ。

    「ある時は利用され…ある時は恐怖され、私は、何をしたいがために『家』を出たのかを、忘れてしまったわ……」
    「…そして、そんな君を見つけるために、俺達は数百年の昔から、『家』で生まれ育ち、『外』で君を捜し続けた。君と俺達に掛けられた、数多の呪いを解くために」

    罪歌の願いは、切なるほどの想いは、その『家』の全員の言葉でもあった。願いであった。
    そしてたった一人、外に最初に飛び出した『罪歌』は、その願いを呪いとしてしまったのだ。
    故に、『罪歌』。
    『罪なる願いをうたったもの』。

    「それで、平和島静雄、ってわけか」
    「……彼なら、私を愛してくれるかと、思ったから」

    自分に斬られても、『子』とならなかった男。隣りにいる男を斬ったところでまた同じ事だが、平和島静雄は全く違う赤の他人だ。だからこそ、彼に愛されれば、と思った。

    「……まぁ、君が誰を愛そうが、俺達は君が願いを叶えるまで待つと、遠い昔に決めたから、構わない」

    自分が『人』を愛すのも、妹達が『人』になりたいと思ったのも、それはすべて、この呪いが成したもの。
    人にして、人に非ず。
    偽物の満月に伸ばした手から現れたのは、罪歌など凌ぐ長さの、野太刀。
    呪いが消えようが消えまいが、その身の内にあり続ける、罪歌との繋がりの証。

    「…『私』は、お前の言う愛はよくわからないけれど、でもね罪歌」

    罪歌は、臨也の方を見る。その紅い目は、そのままに。いつもナイフを使う手は、己の身の内に宿す片割れを握っていた。
    そして、

    「…『奈倉』」

    そこにいたのは、臨也が刀を振るう時、意図的に変えた、自分。
    二重人格とはまた違い、しかし罪歌のように『刀』でもない、『刀を持った臨也』、としか、言い表せない存在。
    また、『奈倉』とは、臨也の雅号でもあった。

    「私は、お前がそこまで異性の愛を求める理由が分からない。私はこの相棒を…『甘楽』を愛しているし、死する時も、死してさえも共に、涅槃…いや、地獄への道を歩もうと思っている。でも、お前はもう、ほしかったはずの愛を手に入れているんじゃないのか?」
    「え…?」

    奈倉の笑顔と、いつの間にかその傍らにたたずむ長き黒髪の美しい少女の笑みに、罪歌は目を見開いた。



    「お前はもう、愛されているんだ。お前が気づいてないだけで」





    愛には、色んな形がある。
    気づくも気づかぬもその人次第。
    異性から愛されるだけが愛か?
    己を受け入れるだけが愛か?
    それを決めることすらも人次第。



    結局、



    「罪歌が決めなきゃ、俺達はまだまだ、歌い続けなきゃいけないってことか…」
    「奈倉、あの…」

    キセルを吸って、ふっと煙を吐き出す。その横で、うずうずとこちらを見ている、自分と…否、どちらかと言えば双子の妹と瓜二つな少女に、臨也は笑いかけた。
    どんな自分でも、自分を『奈倉』と呼べるのは、生まれた時からともにいる、彼女だけ。

    「おいで、甘楽。遊びに行こうか」
    「うん!」

    夢の中の屋敷から、二人はスッと出ていく。
    彼らが向かうのは、現の夜か、それとも、人の夢の夜か――――――――――…





    あとがき↓
    罪歌さんてどう書けばいいんだろう…?と思った結果、シリアスに臨也さんと喋ってもらうことにしました!!
    パロです。どんなシリーズとも関係ありませんよ!「臨也=罪歌」なところは、体内に刀を宿していて、それを使わないようにしてるけど、やっぱ刃物が良い(…)からナイフを愛用してますよ。ということで!!

     

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