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「……あのさ」
臨也が本を読んでいたその手を止めると、その声に静雄のフォークを握る手も止まった。
「あ~?」
「静ちゃん、今日一日チョコもらわなかったの?朝からちゃんと学校いてさ。俺も何もせず、気味が悪いくらい普通の一日だったでしょ?」
「あぁ、もらわなかった」
「ふぅ~ん……。義理でも?」
「義理でも。……手前こそ、もらわなかったのかよ」
「俺?俺の場合ね、事前にもらわないって宣言してるの。作ってる時点でもう嫌。しばらく甘い物食べたくなくなる」
「手前はいっつも作るの専門じゃねぇか」
「静ちゃんが美味しく食べてくれてるから俺もお腹いっぱいなの」
妹に作り、この食欲大魔神達の為に作り、朝から甘いもの尽くしだ。
「ドタチンと新羅はどー?味の方は」
「あぁ、コーヒーがあって助かる…」
「僕はセルティからのしか受け取らないからね!でも臨也のは美味しいから食べてるよ、ごちそうさま」
結構な数をもらった門田は、調理室で臨也が淹れてきたコーヒーに癒され、その隣で新羅はさりげなくのろけつつ臨也の作って来たチョコレートケーキを食べていた。
「三時のおやつってことでね。もう放課後だし。静ちゃんも下駄箱見に行って来てみたら?ベタに入ってるかもよ」
「ハァ?」
「チョ・コ・レ・エ・ト!黙ってれば顔はいいんだからさ」
「別に…これで充分だし。入ってたら家で食う」
「あ、そ………ん?」
「?」
「静ちゃん…。俺からのはあくまでいつものおやつであって、バレンタインのお菓子ではないからね?」
「あぁ、そうなのか?」
「や、そうだったら怖いだろ」
「や、別に」
「………は?!」
「…あの二人、どうなの?」
「………俺に聞くな」
高校時代になると、何故か静ちゃんが無意識な積極性を持つから謎だ。私のせい…?