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デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
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    200000hitお礼小説、ⅹ

    改めまして皆様、新年おめでとうございます房藤です。2012年、四月からは社会人となり新しいこと目白押しとなる房藤ですが、頑張って昨年より更新しようと心に決め、新年のご挨拶とさせていただきます。

    もう年齢なんて、もろばれだと思うのでいいんです…。来年から学生という身分がなくなります(T_T)


    さて、今回は本業パロ番外編。他のリクエストでいただいて中編以上となった誘拐事件の後、時間軸は現時点で一番未来の小説となります。




    情報屋ファミリー + 首なしライダー





    つい一昨日、池袋で端を発し、様々なものをこの街に投下した誘拐事件が終結した。
    何もかも元通りとはいかず今もあの情報屋の件は池袋住民の問題として、または話題の種として随所で聞こえるが、セルティとしてはあまり関わりたくはない。
    何せ、騙されていたのだ。もう二度と関わりたくないと思うのは当然だろう。
    そんな意に賛同したものもいれば、首を横に振った者もいる。
    新羅も、首を横に振った人間の一人だった。
    流石に警察がうじゃうじゃいるところに白衣はまずいとそれを脱いで、事件の捜査で池袋に来ていた折原臨也に会いに行き、死んでいなかった。無事でよかったと目を潤ませたのは流石にセルティも予測できなかった。
    それは臨也も同じだったらしく、さほど身長の変わらぬ新羅の頭を引き寄せて肩に置き、流石あの人の息子だよね。と笑って慰めていた。
    後から聞いたところ、新羅は臨也のことに関して勘付いていたらしい。もともと、新羅の母は臨也の両親と親交が深かった。どんな仕事かも、朧げにだが聞く機会はあったのだろう。それに加えて、付き合いの長さは池袋に残された側の誰よりも多い。流石だといった【あの人】とは、新羅の父ではなく母のことだったのだ。
    そんな新羅や慌てて追いかけてきたセルティにも、臨也は謝罪の一言は言わなかった。騙していてすまなかったと、そんなことは言わなかった。新羅も、それでいいと笑っていた。
    あの奇妙な、言わずともわかっているという顔は、関係は、少々どころではなくわからない。

    そんな思考に沈みながら池袋の街を走っていると、その騒動の最中で無事を知った一人の少年が、セルティの視界に入った。





    ********************




    わかりやすく言おう。紀田正臣は悩んでいた。
    しかしそれは、先に解決した騒動だとか、大学の勉強だとか友人関係の問題だとか、沙樹関連という訳でもない。いや、一応沙樹も関係してくるのだが、主な悩みの種はそこじゃなかった。

    我が家の保護者二名。特に波江の方である。

    「ぁあ~…どうしよ」
    「正臣、とりあえず落ち着こう?はいお茶」
    「あぁ、サンキュ。……って、あ」
    「?……えぇっと、私は初めまして、でいいのかな?」
    『そうなるな』

    ふっと目の前をよぎって路地裏にバイクを止めるのは、昼間は道路を駆ける姿くらいしか見かけない、この池袋の都市伝説。

    「首なしライダー…」
    『久しぶりだな。今日は、他の二人はいないのか』

    首なしライダーこと、セルティ・ストゥルルソンだった。

    「これから待ち合わせですよ。それより、何か用ですか?」
    『そう警戒するな。私は別にお前たちに敵意は持っていない』
    「でも、好奇心は持っている。俺や、臨也さん達に対してね」

    そういうと、黒の影は少し揺らいだ。最近、好奇心を持って話しかけてくる人間が多すぎるのだ。だから池袋にも足を向けず、いったとしても、あまり人の多いところにはいかないようにしていたのだ。
    この都市伝説も、同じだ。好奇心がないとは言えないのだろう。
    好奇心で寄ってこられるくらいなら、敵意の方がまだましだ。わかりやすい。とまで考えて、あれ、俺思考にてきた?と、今頃家で酒盛り準備を始めている(事件の打ち上げ)保護者一名を思う。まぁ、一緒に住んでれば染まるか。と考えて正臣はそれについての考えを放棄した。

    『正直なところ、好奇心は、ある。何故新羅は受け入れられたのだろうかと不思議に思うからな』
    「あぁ…それは、俺も意外だったよ」

    あんな風に喜んでくれる人もいたんだと知って、寂しく思いつつも嬉しくなった。いつか、もう少し落ち着いたら、今の自宅に招待したいと臨也あぼんやりと思っていることを知っている。何故ぼんやりかとは言うと、先日の事件で三徹後、夢うつつの思考で呟いていたからだ。無意識下で相当嬉しかったらしい。ふと沙樹に視線を向けると、同じことを思い出していたのだろう。少し楽しげに笑っていた。

    『…えぇと、それで、だな。何か悩んでいるようだったから声をかけたんだが、どうかしたのか?』
    「……」

    あんたには関係ない。と言おうとして、はた、と正臣は口が動くのを止めた。
    裏の仕事をしていた口は堅いし、何よりあの闇医者の恋人だ。それとなく闇医者に伝えて手伝ってもらえてもいい。というかそれがいい。

    「…誰にも言わないって、誓えるか?喧嘩人形とか、あんたが親しい人間も親しくない人間も含めてだ」
    『新羅にもか』
    「あの人には、後々相談したいとは思ってるけど、あんたの口からすべてを語ってほしいとは思わない。もしいうなら、俺が悩んでいて相談したいと思ってるってところだけだ。…どうだ?」

    少し悩んだような気配をしたのち、セルティは静かに頷いた。





    ***************





    事の発端は昨日。
    事件解決後、久しぶりに四人そろっての夕食をとった後だった。その日の調理当番は女性二人、片付けは男二人だった。
    そうして、片付けも終わって今でのんびりとしていた時、ふと思い出したように臨也が波江に声をかけたのだった。

    「そういえばさ、波江」
    「何?」
    「警視庁の上役の方の人がさ、波江にいい人はいないのかって聞いてきたんだけど」

    ブホッ
    端的に言おう。正臣は茶を吹いた。

    「…どしたの正臣」
    「い、いえ…な、なんてもありません…」
    「そ?で、どうする波江。一応さぁ?って言っておいたけど、あれ確実に見合い話だよ」
    「興味ないわね。というか、私にそんな話もってくる人がいたの?」
    「そんな話って…科捜研の評判は上々だよ。警視庁の刑事課とかからもね。科警研に何故しなかったんだなんて、俺が文句言われたよ。うちの連中にさ」
    「あら、その評価は嬉しいわね」

    二人は全く顔色を変えていない。なんなのこれ一応将来を決める大事な話でしょう!?と思ったが、この家で一番の常識人を自負する正臣は、同時にこの家で世間一般の『普通』を当てはめることほど愚かなことはないという多少行き過ぎた達観をしていた。
    ちなみに、沙樹は波江さんお見合いするんですか?と言いながらも食後のデザートであるフルーツヨーグルトを食している。

    「俺から返事するのもなんだし、波江の方から言う?」
    「そうね、その方がいいかしら。あぁ、明日材料とかの買い物行くから車出してくれる?伝えるのは急ぎじゃないんだし、明日は休みでしょ」
    「じゃあお願い。あぁいいよ。どこまで?」

    明日の買い物と見合い話を同列にしやがったこの二人…!

    そう思いつつもギンギンと眠れず悩む夜を経て朝起きたら、買い物ついでに遠方のアウトレットモールまで足を延ばすと書かれたメモと、朝ご飯だけが置いてあったのだった。





    ***************





    そんな出来事を聞いたセルティは、まずどこら辺が悩みなのか聞くよりも前に聞かねばならないことがあった。

    『その波江と臨也は、何もない仲なのか?』
    「?あぁ…あの二人?何もないんじゃないか?」

    何故?という顔でこちらを見る正臣に、何故そんな顔で見る。とこちらが問いたい。今の会話からして、どうにもその二人はツーカーというか、その見合い話がなければ夫婦のように聞こえたのだが。

    『…そう、か。で、何が悩みなんだ?』
    「あぁ、あれから一晩考えたんだけど…俺、あの家に他人が入ってくるのが嫌みたいなんだよな」
    『?』
    「あぁ、客とかはいいんだ、帝人や杏里も来てるし、二人の職場の知り合いもよく来てる。そういう訳じゃないんだ。『家人』として、家に上がられるのが嫌みたいなんだよな」
    「あ、わかる。龍輔さんとかがいつの間にか来ててお帰りっていうのならいいんだけど、それ以外の人が、何日も家にあたりまえのようにいて、家族みたいにされるっていうのは、想像してていやかも」
    「だろ!?たとえ二人がいいんじゃないかって思った人を連れてきても嫌だし、もし波江さんが結婚して、家からいなくなっても嫌なんだよな」

    どうすればいいんだろう。と、悩む正臣に、セルティはとりあえず、今の見合いは断らせるべきなんじゃないのか。としか告げられなかった。



    もういっそその二人をくっつければいいんじゃないのか。なんていった日には、この二人は何としてでもそれを実行しようとするさまが想像できたからである。





    しかし、










    「いやぁ、午前中で買い物終わるなんて思わなかったね。あれ、正臣達は外出中かな?」
    「池袋にでも遊びに行ったんじゃないかしら」
    「あぁなるほど」

    一方その頃、臨也と波江は買い物を終えて自宅に帰ってきていた。本当なら午後までかかると思ったのだが、欲しい品が手に入らなかったこともあり、随分と早く終わったのである。

    「波江、お茶いる?」
    「えぇ、もらうわ」

    大人二人だけ。というのは、少々珍しい家での光景だった。普通なら子供たちや客がいるし、まず仕事場で遇う方が多い。

    「そういえば、正臣昨日の話題で随分と悩んでるみたいだったけど…」
    「あぁ、見合いのこと?興味がないわ」
    「そ?まぁ、まず何故正臣が悩んでいるのかがわかんないけど…いつまでも興味がないって言ってたら、こういっちゃなんだけど嫁き遅れるよ」
    「本当に失礼ね。………というか、貴方わからなかったの、なんで悩んでるのか」
    「え、うん」
    「………」

    情報屋をやめたら人の機微に鈍感になったのかしら。と波江は考えたが、それはないだろうとすぐにその考えを取り消した。自分に関わり、向けられる感情に関しては結構鈍感な男だ。

    「…ま、別にいいわよ、結婚なんて。それより、貴方こそいいの?来ているんじゃないの、見合い。私たちがいると結婚もできないんじゃない?」
    「ん~、俺もあんまり興味ないしねぇ。それに、上は俺に自分の娘とか薦めるような真似するなら恋愛結婚認める方がましとでも思ってるんじゃない?」

    同期も喰えない人間が多い分、同期での結婚や昔から恋人がいて結婚している人間が多い、御しきれない人間を身内にして食われる方が嫌だろう。
    その結論に満足して頷いていると、波江から茶を注がれるとともに言葉が紡がれた。

    「あら、じゃあ本当に嫁き遅れたらもらってもらおうかしら。今とあんまり変わらないでしょうし」
    「あはは。確かにね。今とあんまり変わらないだろうねぇ。いっそ見合いの断り文句それにしてみる?うちの上司なら言い訳に使えそう」
    「むしろ面白そうだって協力してくれるんじゃないかしら?」










    「俺が一番いいのは、現状維持、なんだよなぁ…」
    「ふふ、正臣、臨也さんも波江さんも大好きだもんねぇ」
    「なっ!さ、沙樹はどうなんだよ」
    「私?私ももちろん、大好きだよ」





    セルティも正臣も予想しなかった形で、事態が終結するまであと一週間。……と、実はかからなかったりする。





    あとがき↓
    と、いうわけで、ちょっと未来の本業パロ番外編でした!セルティも。とリクにあったので登場いただいたのですが、如何だったでしょうか?本業パロはどうしても立場や時間の問題があり、静臨ではなく、静→←臨気味だった、ところからの、臨波。な展開が一番自然かなと考えました。この話のメインは情報屋ファミリーですし!
    ちょこっと長編のネタバレも入ってしまいましたが、楽しく書けたので房藤的には満足です。
    それでは、リクエストありがとうございました!!


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