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だったらしいですね。行かれた皆さま方、いかがだったでしょう?体調崩したりしませんでしたでしょうか…。いきたかった…。来年は就職などもあるので、再来年かな…。来年の冬コミだったら行けるかも…?イベントには行かなくても、書いて出したいとは思ってますけどね…。
さて、拍手返信と、インテのスペース…委託させていただいた方の場所は、後ほどお伝えいたします。
先に、強化月間。幽玄初登場の静ちゃん。
最近、新宿の情報屋がなりを潜めている。
そんな噂が静雄の耳に入ってきたのは、臨也が池袋に姿を現さなくなってから3週間ほど経ってからだった。
実に平和だったのでさほど切れることも、標識や自販機を手に走ることもなく過ごしていた静雄は、そう言えばそうだったな。と思いだす。別にいなくても問題はないしむしろ平和で嬉しい限りだが、何か企んでいるのではと考えてしまうのはしょうがないことだろう。
『いや、私は知らないな…。先週仕事を一つ仲介されたが、あいつはいつも通りだったと思うぞ?』
「…そうか」
『静雄、臨也がどうかしたのか?』
「いや、あの野郎が最近池袋に来てねぇってのは確かだからな。何か企んでんじゃねぇかと思ってよ」
臨也が何かしら関わってくると、どうにもろくなことが起こらない。というのは、経験談だ。今回も何か企んでいるに違いないと考えていた静雄だったが、セルティはそれを否定する。彼女が先週あった限り、臨也に何かを企んでいる空気は見られなかったのだ。むしろ…
『寝不足、のようだったが…』
「寝不足?」
『あぁ、指定された場所に金を受け取りに行ったんだが、珍しく新宿でも池袋でもなくてな。臨也も、珍しく車だった。私を待っていながらあくびをしていたようだし、暗闇ではあったが、私にはわかる。顔色も悪かったし、目の下の隈も凄かった』
思わず新羅のところに行ったらどうだといったセルティだったが、当の本人である臨也はそんな暇はなくてね。と肩をすくめて苦笑し、セルティに金を渡すとさっさと車で去って行ってしまったのだ。
『企んでいるというよりは、何か大きな仕事でも抱えているんだと思うぞ。あぁ、それと…』
「それと?」
『…いや、何故あんな場所を指定してきたのかと、ちょっと疑問に思っただけだ』
セルティは、何故か言えなかった。
自分を待つ為に車から出て、車に背を預けて待つその男、臨也と顔を合わせるかのように、車の上に乗っていた、それ。自分が来れば車から降りて臨也の足に尻尾を絡ませ、臨也が去る時、当然のように臨也開けたドアから車に乗り込んだ、その、黒猫のことを。
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「ふぁ…あ。ねっむ……!」
「昨日は何時に帰ってきたの?」
「残念。帰ってきたのは今日…!」
朝の、10時。
インターホンを押せば出てくるのは、日に日に目の隈を深くしている上司の姿だ。心なしか、体系もやせ細っているような気がする。
「他にいないの?手伝ってくれるような人間は」
「いたら苦労…してるよ。まぁ二人いることはいるんだけどね、一人は表の仕事が忙しいから後1週間は待てって言われてて、もう一人は情報は流してくれてるけど、本腰入れて手伝うには時間がかかるってさ……あぁもう、さっさと来ぃや、関西組!!」
ついでに、叫び癖と言うか、ヒステリー気味になっていると付け加えておこう。
「朝ご飯は?」
「食べてましぇーん…」
「あの、黒猫の椿は?」
「あ、椿の分は、昨日の夜食のあまりがあったからそれさっきあげた…」
「あんたも食べなさい」
「………………はい」
いつもと違って実に規則正しくない生活を送り続けているらしい情報屋は、知能指数も下がっているらしい。実に大人しく気味が悪かった。
「俺がいない間に電話とか…」
「なかったわよ。仕事のはね」
「あ、あぁ……そう…」
「ただ、」
よかった…。とため息をついてソファにうつぶせになっている臨也に、波江はココアを差し出した。テーブルに置いといて、と言われ、冷めないうちに呑みなさいと言って近くに置いておく。
「ただ…何?」
「貴方、あの子達にろくな説明せず、お金だけ振り込んでおいたでしょう」
「は?…あぁ、いや、しばらく情報屋の仕事を縮小するとは言ったけど?詳しく話したって信じてくれるわけないじゃん、一般人からしてみればこんなオカルトな話…」
眠い…。今瞼を閉じれば、一日は軽く寝られる自信が臨也にはあった。しかしまぁ、仕事をしなきゃいけないという意識が、ギリギリ睡眠欲を抑えつけている。人間の三大欲求というものは、特に睡眠欲というものは時にあの喧嘩人形より手ごわいと痛感する臨也だった。
閑話休題。
そんな、夢の世界に片足突っ込みながらも頑張っている臨也を見て、波江はため息をついた。
「それでも、何があったんだと思うのが普通でしょう。しかも当面のお金振り込めば、何か企んでるかと思われても仕方ないわ」
「……はぁ…」
「それで昨日、うちに来たのよ。私の家の方に泊まってもらったわ」
「あぁ、そお…」
「それで…」
その時、ガチャリとリビングのドアが開いた。
『リン、客が来ているようなんだが、高校生ぐらいの…』
「臨也さん、大丈夫ですか!?」
「へ、あ、さ、沙樹!?ってぐえッ!」
「すいません、何かあの猫が入っていいみたいな感じに……って、ちょっと沙樹!?臨也さん離せって、気絶してる!」
『……タイミング悪かったか』
「…もうすぐ事務所に来るっていいたかったんだけど、意味なかったわね」
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「あ~……とりあえず、色んな意味で心配してくれてたのは嬉しいけど、突進してくるのはやめてね」
「す、すみません…」
3時間後、何とか起き上ってきた臨也は、入れ直してもらったココアを飲みつつ、正臣と沙樹と相対していた。
「まぁ、静ちゃん以外で俺を気絶までさせたってことである意味快挙だけど…っていうのは、褒め言葉かな?」
「臨也さんっ」
「褒め言葉っちゃあ褒め言葉かもしれないですけど…今度は何企んでるんですか?」
「おや、企むとは心外な」
波江に何処まで話したかと聞けば、ただ、最近夜に別件の仕事でいないとしかいってないと帰ってきて、最初から話すべきかと眉をひそめる。
椿に視線を送れば、大丈夫じゃないか。と返ってきた。
「はぁ、じゃあまぁ、とりあえず…二人とも、幽霊を見たことは?」
「は?」
突然の問いに、正臣と沙樹どころか、波江まで目を丸くする。しれっとしているのは、臨也の隣で身体を丸くしている椿のみ。
「怪奇現象とか」
「いや池袋がそれですよ」
「それもそうだけど、お化けとかの類。怪談話系で」
「ないっす」
「んじゃあ妖怪とか」
「あんた俺のことなんだと思ってるんですか」
「それじゃあ、神様とか」
「更にあり得ませんっ」
「ないか……」
「何残念そうにため息ついてんですかっ!」
…漫才をしている暇はないぞリン。
はいはいはい、わかっとるよ。からかってほぐしとるだけや。
「…いや、ないとさ、信じる気にならないかなって…」
「え?」
「俺が今、夜中に動きまわっている理由は…『そっち』関係の仕事なんだよね」
波江も知ってるよ。と言えば、本当よ。と波江が頷く。
臨也のみならまだしも、波江に頷かれれば信じるしかない。
更に、
『私も証拠となるかな、リン?』
「……そうだね、お前も、証拠にはなるね」
臨也の隣に陣取るその黒猫から、声のような音が聞こえてくれば、現実として認識する以外他になかった。
あとがき↓
はい、情報屋ファミリー年少組巻き込まれ決定―★
とは言っても、臨也さんにくっついて現場には出させません。裏方に回っていただく予定です。