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更新です、更新。何だか久しぶりな気がします…。
カウンターも引き継ぎなので、今度リクエストとかをお聞きするとしたら10万打ですかね?って…気が早いですよね、すみません…。その前に、リアルの友人に見つけられたら再び移転…いえ、今度こそ蒸発するかもしれません。
言われなきゃいいんです。見ても、見守ってくれてるだけとか、ね、他に人がいなけりゃ…とか、メールで、とか…よりにもよって食堂で言いやがって…!
は、すいません。トリップしてました。愚痴っても仕方がないことですよね(汗)
それでは、兎にも角にも、13話目!新羅さん逃げてv
『if.~La bonne médecine a un goût amer~』
突然ですがセルティ。
「よぉ、一発殴らせろ新羅」
君の恋人は、命の危機にさらされています。
********************
時間は五分前まで遡る。
急患が出ていて家を出ていた新羅が帰って来た時、マンションの前にいたのは、先日家にやってきた静雄と、
「…え、臨……也?」
「やっぱ、何があったのか知ってたのか手前」
「静ちゃん…」
可愛らしい服の上にいつものコートを着込んだ臨也がいた。
「え…あれ、バレたの?」
その言葉に、臨也は小さく頷いて静雄のシャツの裾をギュッと握っている。
これが臨也だって知ってても、子供みたいだなぁ可愛いなぁとか思うのは、そろそろ自分にも門田と同じく臨也の親属性が現れてきた証拠だろうか。
しかしよく見てみれば、臨也がそのシャツを握っているのは不安とかそう言った理由と言うよりは、必死さがにじみ出ている。
あれおかしいな。と、静雄の方を見る、と、
「……静雄」
「んだよ」
「何だか怒…いや、家の中に入る、よね?この時間に外はもう寒いよ」
あからさまに不機嫌と言うか、怒っていた。
臨也が握っていたのは、おさえていたというか、手綱を握っているようなものだったのだろう。良く見れば、手を握っているようだし。…しかも、所謂『恋人繋ぎ』で。
…え、ちょっとまって、昨日の夜に何があったの。私は薬を届けてくれって言っただけだよね?
そんな思いを抱きつつ、新羅は二人を招き入れた。
**********
「……で、薬は?」
「唐突だなぁ…僕だって仕事仕事で忙しいんだよ?そんなすぐにできるわけないじゃないか」
「…」
嘘くさい。
キラキラとした笑顔でそう語る新羅に、二人が思うことはこれだけである。
「だとしても!こいつがこのままだと何か調子く…」
「静雄は、臨也が女の子だったらって、思った事ないかい?」
静雄の言葉をさえぎって問われたそれに、臨也と静雄は目を見開いた。
「新…」
「僕はね、中学の時から時々思ったことあったんだ。腕っ節は強いし口は回るし顔はいいし。性格はまぁ悪いけど、家事も完璧にこなせて、まだ中学生だったのに、親がいないからって妹をちゃんと育てられて。静雄、君とは違う意味で強いなって思ったんだよ。だから、もし臨也が女の子だったら、静雄と渡り合えて、ついでにいい関係を築けるんじゃないかなってね」
まぁ、男でも、渡り合えてるけどさ。
「思ってたんだよね、たまに。君達が喧嘩…はまぁ、たまにならしててもいいけど、悪友と言うか親友というか…そんな関係にならないかなって。持ってるものが違くても、君達は同じ土台に立ってる。だから、臨也が女の子だったら、もっといいんじゃないかなってさ」
「……それが、理由か」
「うん。そうだよ」
静雄の低い声にも、新羅は全く頓着せずに頷いた。臨也は、その理由が意外だったのか目を丸くしている。
「静雄はさ、私とかとは違っても、そう思ったことはない?臨也が女だったらって」
「…全くねぇな。思ってたとしても、それは『もしも』だろうが。現実にはなりゃしねぇよ」
「でも、現実になったじゃないか。『もしも』が。臨也は今、立派に可愛い女の子だろ?」
そう言われて、静雄は隣にいる臨也を見た。
静かだが不穏な言い争いに、困惑しているのが見て取れる。
「……新羅、さっさと薬作れ」
「…それが、君の答え?」
「つべこべ言うな。手前が撒いた種だろうが。手前で回収しろ。俺にとっちゃ、こいつが男だろうが女だろうがそんなに大差ねぇ」
「しず、ちゃん……」
その言葉に、新羅は苦笑した。
あぁ、『女のままがいい』って、言わないでくれて、良かった。
もし言っていたら、それこそあらゆる劇薬を使ってでも静雄に何かしていたかもしれない。
『どちらでもいい。変わらない』と、そう言ってもらうことが、新羅の一番の望みだったから。
「…わかってるよ。急いで作るさ。臨也も、それでいいね?」
「……勿論。この格好のままじゃ、情報屋の仕事なんてろくにできないよ」
「あれ、色仕掛けが通じるじゃないか…って、ごめん、ごめん静雄、頼むから殴らないで!」
「…ちっ」
どうやら、自分は相当な怒りを買ったらしい。『これから』は、もっと上手くやろう。
「まぁ、助かったよ」
「は?」
「静雄が女のままがいいとか言い出したらどうしようかと思ってさ!実はその薬まだ試験段階で、生体内のホルモンバランスとか多分今狂いに狂って…………え、静雄?」
「新羅ぁ……やっぱ一発殴らせろ手前!!」
因果応報。もしくは、自業自得。
あとがき↓
ふぅ、できたー。あ、二人はくっついてないですよ!?
あと一話くらいです。