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デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
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    よし。

    何だか突発的に思いついたので書いてみました。pixivの影響強いな…。
    誰か臨也さんのお手製ケーキ食べてる来神組、描いてくれないかな…。私描けないからな…(泣)

    ちょっと臨也さんが電波な感じですが気にしないでくださいね!!
    ついでに字を大きくしたりしてみた。





    臨也+波江(+オリキャラ)&静雄+トムさん





    夢を見た。
    泣いてる子供の夢。啼いてる子供の夢。
    大きな力を持て余して、途方に暮れた子供の夢だ。
    あぁ、泣かないで。そう言おうとしても、声も手も届かない。だって自分は………

    自分は……

    「リ~ン~~?起きたぁ~?」
    「ん………」
    「わっ、何で泣いてんの!?ちょっとまって、今タオル持ってくる!」
    「おはようリン。目、擦るなよ」

    目を開けると、そこは見慣れた天井だった。一人が慌てたようにタオルを取りに部屋を出て行って、もう一人が頭を優しく撫でてくれる。

    「リン、どうした。怖い夢か、それとも…」
    「泣いてる子が、いた…」
    「?」
    「優しい子なんだ。でも、あの子の弟以外、誰も傍にいてあげられない…。優しくて暖かい子なのに。ねぇ、なんで?」
    「そうは言われてもなぁ……」

    笑顔が似合う、太陽のような子供だった。強い力が、本来はそれを後押ししてもっと輝くはずなのに、途方に暮れた子供には重荷でしかない。

    「ほら、リン!タオルタオル」
    「ありがと……」

    柔らかいタオルに顔を突っ伏しながらも、考えるのは夢の中の子供だ。名前も知らない。声も、何も。知っているのは、泣いていることと、優しい弟がいるということ。

    「どこにいるのかな…」

    助けてあげたい。な……。

    「…?何の話?」
    「リンの夢に出てきた子供の話だ」

    二人がそう話す間も、どうすればいいだろうと考えていた。自分なんかがあの子のそばにいては、あの子は幸せになんてなれない。自分みたいに厄介で、『おかしい』子供があんな太陽みたいな子供のそばにいたら、ダメなんだ。
    自分は、今の幸せだけあればいい。
    ではどうすればいいだろう?あの子に、あの子のそばにもっと、支えて励ましてくれる人が、いたなら……。

    「…そっか」
    「「??」」
    「増やせばいいんだ。あの子が優しいんだって分かるように、分かってくれる人を、増やせばいいんだ」

    そうすれば、いい。最悪、自分が敵役みたいになって、どんどんあの子を幸せにして。
    そう話すと、二人は眉間に皺を寄せた。何だか不機嫌になっていく様子に、思わず慌ててどうしたのか聞くと、一人がずいっと顔を寄せてくる。

    「その場合、リンはどうやって私達のところに戻ってくるの~?最悪の場合死んじゃうんじゃない?」
    「…それならいっそ『殺せば』いいだろう。『折原臨也』って存在をな。そんで戻ってくればいい。情報操作なんて、覚えりゃ簡単だ」
    「あぁ、そっか!」
    「………戻ってきて、いいんだ」

    皆から嫌われるような性格になって、嫌な奴を演じて、そうして立ち振る舞いというのに。普通、そんな人間と一緒にいるのを人はいやがるのではないのだろうか。

    「リンはリンだから関係ないわー。戻ってきても変な性格だったら、その性格も矯正すりゃいいだけの話よ!」
    「同感だな。だから安心して、やりたいことやりゃいいんだよ」

    どうせだから他の奴も巻き込むか。という言葉に、もう一人が元気よく賛成!と手を挙げる。
    その様子に、自分は何だか嬉しくて、ありがとうと、小さく呟いた。





    ********************





    「夢のあの子は静ちゃんで決まり…何だよなぁ…」

    あれから何年たっただろう。それから何度も見た夢を、最近見なくなった。
    減って来たのは、高校に入ってから。
    見ることの方が珍しくなってきたのは最近で、あぁ、あの子が笑っているなと、少しだけ安堵する。

    「ねぇ、これはどこにやればいいのかしら」
    「あぁ、そっちの段ボールにまとめて。引越し準備まで手伝ってもらっちゃってごめんね」
    「………別に、構わないわよ」

    そう言えば、自分の隣にもなんだかんだでそばにいてくれる助手がいる。
    昔のことを話したら『貴方も妹達とあんまり変わらないんじゃない?』と言われたが。まさかこの新宿で、この東京で、こんな風に話せる人が出てくるとは思わなかった。

    「誠二君がうらやましいな」
    「は?」
    「波江みたいな、素敵な姉さんがいて」

    そう笑うと、波江は少し怒ったように空の段ボールを押しつけてくる。これがちょっとした照れ隠しだと知ったのは、つい最近。

    「ほら、早くしないと業者来るわよ」
    「はーい」





    おそらくもう、夢は見ない。





    ********************





    そう言えば最近、あの夢を見ない。





    「何でだろうなぁ…」
    「ん?どうした静雄」
    「え、あ、いえ…ガキの頃から同じ夢をずっと見てたんすけど、最近見ねぇなって」

    気のいい上司に、取り立てに向かう道すがら話すのは、小学校に入る前から見ている夢。
    泣いて、暗闇の中でうずくまっている自分を、同じくらいの年頃の子供が心配そうに見ている夢だ。
    夢の中の子供は自分に触ろうとしてくれているのに、すり抜けてしまうらしく悲しそうな顔をしていつも消える。
    声をかけようと口が動くのだが、自分には何を言っているのか分からない。
    それが、たまらなく寂しかった。

    「高校に入ったくらいからですけど、どんどん減って…今じゃ見る時の方が珍しいっすね」
    「ほぉ…。変な夢もあるもんだな」

    夢の中の子供は、自分が大きくなるのと同じように、大きくなっていった。でも、自分からは顔がはっきりと見えないから、誰なのかもわからない。

    「夢ねぇ…俺は見ない方だからな」
    「俺もそうっすけど…あの夢だけは、確実に見れるんです」

    手を伸ばしたいとも思った。でも、あの子供が自分に触れられないなら同じだろうと何もしなくて。
    やっと、伸ばせるかと思ったら、あの子供の代わりに、自分の周りにはたくさんの人がいた。
    寂しくはなくなった。悲しさも薄まった。
    でも、遠くで嬉しそうにしているその子供が、嫌で。
    こっちに来てくれと言いたいのに、届かない。

    「会えたらいいな」
    「え?」
    「その夢の奴によ」

    そう言って自分の背を叩いてくれた上司にはい。と頷いて、近い内にまた見れるかと、夜に思いを馳せる。





    また見ることができたなら、今度こそ手を伸ばして叫ぼう。





      おそらくそれは、



              とても難しいことだろうけれども





              叶わない、夢だろうけれども。





    あとがき↓
    …あれ?切な系になっちゃった…。

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