忍者ブログ
デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
05
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 管理画面

    [PR]

    ×

    [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

    5000hitお礼、最後です。

    皆様、リクエストや温かいお言葉ありがとうございました…。これでリクエストは最後です。
    ご期待に添えたものも添えなかったものもあるかと思いますが、これからも精進して書きますのでよろしくお願いします。

    また、一万hitのリクエストを始めさせていただきます。締め切りは三月十日を予定しております。前回と比べると短いかもしれませんが、皆様、よろしければよろしくお願いします。





    臨也さんが怒ると…?







    その日、臨也はいつもより機嫌が良かった。
    たまっていた仕事が一気に片付いたということもあるし、久しぶりに外に出たということもある。
    気分転換に波江と料理をして、存外楽しかったということもあるし、初めて挑戦した菓子が上手く出来たということもある。
    特に菓子なんて、できた時は本当に感動したほどだ。
    それを新羅に話すと食べてみたいと話していて、久しぶりに池袋に来た。
    しかし、仕事が終わって、少し気が抜けていたのかもしれない。


    「いいぃぃぃざぁあぁやあぁああぁぁぁ!!」


    そんな怒号と共に、ケーキを入れた紙袋が綺麗に吹き飛んで、飛んだ方向を見れば、自販機がひしゃげて壁に激突していた。
    あぁ、あれはダメだな。潰れたな。と、頭のどこかで冷静な自分が呟いて、

    「てめぇノミ蟲…。なんで池袋にいやがる……」

    そんな地を這うような不機嫌な声に、何かがブチリと切れる音がした。










    久しぶりに見た臨也に一発自販機を投げた静雄は、近くまで寄ってきて何かが違うことに気付いた。
    まず、嫌味な顔で嫌味な言葉を吐いてこない。
    次に、ナイフを向けられていない。
    次に、俯いていて顔が見えない。
    いつもならあり得ないそれに、具合でも悪いのか、と肩に手を置いた時だった。



    ぐるん、と、視界が回る。



    「え…?」

    そう言葉をこぼしたのは誰だっただろうか。
    一瞬。そう、一瞬で、あの平和島静雄が、地面に叩きつけられたのである。

    「臨也っ…手前っ……!」
    「………」

    起き上って静雄が反撃しようと拳を振りかざしたかと思うと、その腕を軸に再び静雄の体は本人が意図していない方向へと向けられた。
    第三者から見ればわかる。静雄の力は、臨也によって『いなされて』いるのである。

    「うっわー…イザイザ凄…」
    「いや、狩沢さん、感心してる場合じゃ……門田さん?」
    「安心しろ、岸谷には連絡済だ。しばらくしたら連れていく」

    それを遠目に見る野次馬を挟んで眺めていた門田は、狩沢達をなだめてから深くため息をついた。

    「そろそろ、静雄さんが反撃っすかね?」
    「なんかイザイザがいつもと違う気がするけど、流石にこれ以上は…」
    「いや、俺が運ぶのは静雄だ」

    「「え?」」

    目を丸くした二人に、門田は再びため息をついて、騒ぎの中心に向かって歩き出した。誰にも聞こえない程度に、小さく小さく呟いて。

    「マジギレした臨也だと、流石の静雄でも敵わないからな…」

    いつも臨也がナイフを使うのは、真っ向から静雄と喧嘩をするためだ。まぁ、大体がすぐ逃げるが、どこから習ってきたのか臨也は空手や合気道を習得していて、それなりの腕も持っている。
    新羅が言うには、『真面目に部活に入って大会に出てれば上位に行くと思うよ』だ。
    まっすぐに戦う静雄に、相手の力を利用していなして戦う合気道は、分が悪い。
    流石にそろそろ止めないとまずいと臨也の前に立つと、臨也は何も見えない、無表情な顔でこちらを見た。

    「臨也」
    「………あげる」

    疲れ果てて動けなくなっていた静雄の腕をパ。と離すと、臨也はそのまま、嫌味一つ言わず静かに立ち去ろうと踵を返す。
    その動作に、いつもなら静雄が来て割れるように、人がザッと左右に割れた。

    「いざ…」
    「新羅に、潰れたからまた今度ねって、伝えといて」

    そう言うと、臨也は走り去っていった。





    ********************





    「あぁ、ダメになっちゃったの?そっか。まぁまた今度ってことは挑戦するんだろうしね、良いよ大丈夫!」

    静雄を背負って新羅のところに行き事の顛末を話すと、新羅は実に簡単に、門田が知らなかった事実を、疑問を解消した。
    つまり、あの投げた自販機の下敷きになったのだ。臨也の作ったケーキが。
    いつもならそれくらいではあまりキレない臨也だが、仕事での疲れがたまっていたのだろう。ストレスのせいか、一気に堪忍袋の緒が切れたようであった。

    「しばらく臨也も頭冷やそうとして池袋には来ないよ。大丈夫、そこら辺は理解して、外にぶつけないようにする奴だから。静雄に当たっちゃったのはまぁ、しょうがないというか自業自得だねー」

    あはははは。と笑う新羅に、いつもと逆で満身創痍の静雄は不機嫌そうに眉間に皺を作った

    「………うるせぇよ」
    「静雄、そもそもお前が悪いんだからな。次臨也が来たら謝れよ」

    キレても人には当たらない。という臨也が衝動的にとはいえ、静雄に当たったのだ。よほどの自信作で、そしてよほどストレスがたまっていたのだろう。
    あそこまで無表情で戦う臨也は、初めてみた。

    「……」
    「ちょ、静雄~?筋を痛めてるからしばらく腕…」
    「…あやまって、くる」

    立ち上がり、包帯の上からいつものバーテン服を着た静雄は、すたすたと出ていく。また喧嘩になるからと止めようとしたが、新羅が静雄が出ていったのを確認した後、苦笑して肩をすくめた。

    「大丈夫。あぁなると、臨也は引き篭もって出てこないから。いくら静雄でも見つけられないよ」
    「静雄でもって…新宿の家だったら、あいつは知ってるはずだろう。いくらなんでも…」
    「あぁ、違う違う。臨也は情報屋として、住所をいくつか持っててね、もちろん、そこはちゃんと臨也名義だ。それ全部を静雄が知っているはず、ないだろ?」

    つまり、静雄が知り得ない家のどれかで、引き篭もっているというか、閉じ籠るというか、自分以外を全部排除するということだ。

    「だから、静雄が言っても無理だよ。多分、最近雇ったって言う助手がいるくらいじゃない?」
    「そう……なのか」

    案の定、新宿のマンションにいたのは助手で、彼女も位置の把握はできていないと言われたらしく、静雄は肩を落として帰って来た。
    それでも仕事はしているようで度々門田や新羅は池袋で臨也の姿を見たが、静雄にだけは見つからないよう注意しているのか、いつもの遭遇率が嘘のように、その後一月ほど、二人は池袋で喧嘩どころか遭遇することさえなかった。





    ちなみに、一月後、変わったことと言えば。





    「おい、こら待ちやがれ!!臨也!!」
    「うっさい!食べ物粗末にするバカの言うこと聞く義理なんてないね!!」





    口を聞くようになっただけだった。





    あとがき↓
    仲直りしたのは更に一月後だと思います。臨也さんが怒るってどうなんだろう。でも、弁達者な人が怒ると無口になってしまうと思うんですよね…。逆に喋りまくるかとも思いましたが、今回はこちらにしてみました。
    ご期待には添えたでしょうか。

    これにて、5000hitお礼小説は終了とさせていただきます。皆様、本当にありがとうございました。
     

    拍手

    PR

    お名前
    タイトル
    文字色
    URL
    コメント
    パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
    非公開コメント
    この記事にトラックバックする:
    [36]  [35]  [34]  [33]  [32]  [31]  [30]  [29]  [28]  [27]  [26
    カウンター
    カレンダー
    04 2024/05 06
    S M T W T F S
    1 2 3 4
    5 6 7 8 9 10 11
    12 13 14 15 16 17 18
    19 20 21 22 23 24 25
    26 27 28 29 30 31
    ブログ内検索
    最新記事
    (09/08)
    (08/15)
    (03/23)
    (03/23)
    (07/07)
    プロフィール
    HN:
    房藤 空木
    性別:
    女性
    職業:
    学生
    自己紹介:
    基本的にtwitterかmixiに出没もしますが、mixiの方は基本的にROM専門と化しており、こちら方面の事は、特定の方にしか記事でもお知らせしてません…。



    こちら、同人ジャンルのサイト・ブログ様に限り、リンクアンリンクフリーとしております。
    また、無断転載やオンラインブクマはご遠慮ください。
    バーコード


        ◆ graphics by アンの小箱 ◆ designed by Anne ◆

        忍者ブログ [PR]