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デュラララ!!の二次創作小説同人サイトです。
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    (汗)

    お久しぶりです。やっとパソコンの前に座る事が出来ました…。

    ドタチン視点の来神時代。
    ほのぼのとというか、穏やかに。








    どこで貴方の人生が変わりましたか?



    そう聞かれたら、自分は迷うことなく高校に入って、あの三人と遇ってからだと答えるだろう。
    毎日毎日静雄と臨也は喧嘩するし、それを見て楽しんでいるのか仲裁することをあきらめているのか分からない岸谷は、二人の治療だけはきっちりとして。
    おそらく、自分が一番気苦労をしていると思う。絶対に。

    「あいつらは…屋上か」

    二年に上がっても、それは変わらないように思えた。
    実際に六月まで、新入生がいてもなんのその。二人は殺し合いという名の喧嘩をし続けていた。おそらく卒業までこれだろうと、慣れてきた同学年と上級生、そして教師が確信していた。

    いたというのに。

    「こっちが探しまくったって言うのに…呑気におやつかお前らは……」

    それが変わったのは、梅雨時期には珍しい晴れの日だった。
    それは、岸谷と臨也のクラスが調理実習だった日。珍しく朝から平穏で、まさに青天の霹靂かなんて、ちょっと思考も日和っていた日。岸谷だけが屋上に行こうと昼休みに呼びに来た日。
    二人はサボりか帰ったかと話しながら屋上に行くと、その二人が、信じられないくらい穏やかに会話していた。
    その原因は、調理実習で臨也が作ったマフィン。自分も岸谷からもらったが甘さも食感もちょうど良くて、『あの』臨也が作ったとはにわかに信じられなかった。
    そうそう、結局、その日は二人が自分達に気付かなかったので屋上に入るドアの前で岸谷と食べた。
    次の日からは、ちゃんと四人で。しかも、臨也の作ったクッキーも食べたが。

    「……門田、か」
    「おぅ。一応来たが…出る気あるか」
    「ねぇ」

    そう言って再び壁に背を預けた静雄にそうだよな。と苦笑して、タッパーに入っているプリンをとる。
    最近思ったのだが、どんどん腕をあげてきていないか、臨也。

    「ドタチン、コーヒーは~?」
    「や、これ食べたら戻る。お前も戻る気はないんだな…」
    「新羅に教室戻る時に伝えといたから大丈夫だよ。ドタチンも委員会お疲れ様。大変だねぇ~」
    「そういうなら、お前も入ったらどうだ」
    「絶対イヤー」

    毎日甘い物を食べて太らないのが不思議だが、ここは育ち盛りの高校生だ。運動や勉強、静雄達にしてみれば毎度の喧嘩でそれらは消費されているだろう。臨也は、あまり自分で作っても食べはしないが。

    「今日は五限で終わりだからな、お前ら。HRは…」
    「サボる」
    「静ちゃんに同じくー。あ、新羅には言っといたから!鞄も持ってきてないし」
    「手前は少しは学生らしくしやがれ」
    「静ちゃんに言われたくないですー」
    「あぁ、はいはい。じゃあ静雄の鞄も持って放課後になったら来るから。ちゃんとここにいろよ」

    喧嘩には発展し無さそうだが不穏な空気に包まれた二人に間に入って、仲裁する。
    だから門田は苦労性になるんだよ。と岸谷に以前言われたが、しょうがない。性分だ。
    はーい。と揃って素直に返事をする二人に、本当にこの二人は分からない。とため息をついて、俺は教師にいつも通りの返答をするべく教室に戻ったのだった。





    ********************





    「あの二人がって?仲は良いと思うよ、僕は」
    「そうか?」

    放課後、掃除がなかったのか早く来た岸谷とともに屋上へと行く途中。五限目の時のことを話すと、岸谷はあっさりとそう言った。

    「だって、調理実習の前だって、あの二人はなんだかんだ言って一緒にいたし、喧嘩するほど仲がいいって言うか、類は友を呼ぶってのもいいよね。似た者同士だから、」
    「喧嘩して意思疎通ってか?」
    「そうそう。それが一番だと思うよ。静雄だって、あんまりにも臨也が大きい怪我するとすっごくシュンとしてるからね」

    どちらにしても傍迷惑な話だ。
    最近では大人しくなった二人に対して教師陣は大混乱しているが、それはそれでいいのか。生徒達は皆、この平穏を良くも悪くも受け入れているというのに。

    「門田はさぁ、もうちょっと肩の力抜いて見てみたら?」
    「?」
    「あの二人はさ、結局お互いが特別なんだよね。嫌いとか好きとかと違う次元でさ」
    「まぁ…それは思うな」

    臨也にとっての静雄が具体的にどうなのかは知らないが、静雄にとっては、静雄の『暴力』と真っ向から立ち向かった人間は臨也が初めてだろう。
    殺すと死ねと言っても、結局それが達成されていないのは、静雄がどこかで臨也の存在を認めて、いてほしいと願っているからだ。

    「まぁ、どっちかが女だったらまたちょっと違った展開になったんだろうけど。………………試してみようかなぁ」

    ぽそりと聞こえた後半の言葉は聞かなかったことにして、屋上のドアを開ける。立ち入り禁止のはずのそこは、いつの間にか鍵を入手してきた臨也によって合法的に開けられているので、この屋上へのドアが壊されたことだけは一度もなかった。

    「って…寝てやがる…」
    「え?はは、ほんとだね。今日は暖かいし…風邪はひかないかな?静雄は兎も角、臨也は一度こじらすとしつこいからなぁ」
    「そうなのか」
    「うん。それで一週間登校しなかったしね。ま、静雄が気をつけてくれたみたいだから、良いかな」

    青天の下。先程訪れた時と大差ない位置で、二人はこちらが来たことにも気付かずに寝ていた。
    ワイシャツの上にセーター、ついでに学ランも着てかなりの厚着に見える臨也の上には、サイズが一回り大きい、隣で寝ている静雄の上着が掛けられていた。
    その静雄といえば、ワイシャツ一枚で寒ささえ感じていないのか普通に寝ている。
    風邪を引かないようにと配慮するなら、怪我に関しても気をつければいいのにと思うが、それこそ入学当初からすればましな方だろうと思うことにする。

    「まだ三時だし、どうしよう。置いて帰ろうか?」
    「そうなると明日が大変だな。あと30分くらいなら良いだろう。日が落ちてくる前には帰りたい」
    「そうだねー。あ、一昨日臨也からおススメされた居酒屋さんがあるんだけどさ」
    「居酒屋…か?」

    未成年が言ってもいいのかと聞くと、定食とかもやっていて、その店は臨也がよく行くところだから顔も聞くのだという。

    「美味しいってさ。臨也は料理するせいか味にはうるさいしさ。当たりだよ。たまにはどう?」
    「そう…だな。二人が起きたら行くか」

    とりあえず慣れてきた日常は、騒がしさが減って穏やかさが増えて、ついでに疑問も増えたが悪い物ではないとだけ言っておく。
    池袋でこの二人がコンビを組んだら最強。という話も聞く。あり得ないと思っていたが、何だか実現しそうだ。
    それはそれで面白い。

    「どこら辺にあるんだ」
    「えっとねー…」

    この先も色々とあるだろうが、この日常だけは変わってほしくない。穏やかでも、騒がしくてもだ。
    あんたもそう思ってくれるだろ?




    あとがき↓
    そんなわけで、始まりから終わりまでドタチンに語っていただきました…。
    ずっと一人の視線から書くのはあまりしないのでちょっと新鮮だったかも…。
     

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